低学年の学習内容はどの科目も基本的なことが中心です。それでもつまずいてしまう子が少なくありません。親の中には「低学年からつまずいていては不安」「こんな調子でこの先大丈夫なのだろうか?」などと気に病んでしまう人もいるでしょう。親はこうしたつまずきをどう捉え、どのようにわが子の学習に寄り添っていけばよいのでしょう。算数教育家で中学受験カウンセラーの安浪京子さんに話を聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 低学年 苦手克服と「勉強嫌いの阻止」どう両立? ←今回はココ
(2) 年齢の割に幼い子、原因は親の過干渉それとも気質?
(3) 子が辞書引きを面倒くさがる その場で教えてもいい?
(4) 「すごい?」を連発 子の承認欲求どこまで満たす?

算数は演習量が必要、でも嫌がる場合は?

 「低学年で学習する内容はどれも基本的なものですが、子どもによっては時計の読み方、かさや長さなどの単位換算など、苦手な分野がある子もいます。その場合、親は心配ですよね」。そう話すのは、算数教育家で、中学受験にもくわしい安浪京子さんです。安浪さんは小学校5年生の子どもの母親でもあります。

 安浪さんによると、そもそも算数を学ぶ上で基本となるのが演習量だそう。

 「算数は学校で習って理解できても、そのままにしておくと忘れてしまうため、演習を繰り返して、解き方を体に染み込ませていくことが必要な科目です。低学年の算数は基本的な内容がメインですが、それでも理解の定着のためには、問題量をこなさなければなりません」

 その一方で、低学年の場合は「勉強嫌いにさせないこと」も大事だと安浪さん。

 「苦手な分野だから理解させなくてはと、親が隣に張りついてドリルをやらせても、子どもはなかなか理解できず、そのうちグズグズしてしまうかもしれません。すると親も次第にイライラしてしまい、親子ゲンカになってしまう……というパターンも少なくないですよね。でもこれでは子どもは勉強が楽しくないどころか嫌になってしまいます」

 親が低学年の子どもの算数をサポートする際には、演習量をこなさせることと、勉強嫌いにさせないことのどちらを優先すべきなのでしょうか? 仮に勉強嫌いにさせないことを優先させる場合、苦手な単元はどのようにキャッチアップすればいいのでしょう?

 安浪さんに、親が低学年の子どもの勉強に寄り添うための考え方やポイント、そして後伸びするため低学年のうちに大事にすべきことについて教えてもらいます。