2学期が始まりました。「宿題を見る」という毎日の親のタスクは、常に時間と戦う多忙な共働き親にとっては、悩みのタネです。重荷に感じつつ、でも、何となくこなしているという親も少なくないでしょう。「低学年の家庭学習において、親の関わりは本当に大切です」という追手門学院小学校講師の多賀一郎さんに、親が知っておきたいポイントなどを聞きました。宿題を「見ているつもり」で終わらせていませんか?

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 親が「宿題を見る」は必要? 本質を知って有意義に ←今回はココ
(2) 低学年の宿題 後伸びするために親が家でできること
(3) スポーツにも勉強にも「体幹」が大事な理由とは

低学年が宿題をするために、親の関わりは大事

 丸付けをしたり、音読を聞いたり、回数をチェックしたり、低学年の子どもの宿題に親が関与しなくてはならないケースは少なくありません。

 また、宿題を学童保育ではなく、帰宅してからする場合、自分からする気配のないわが子にどのように声をかければいいか悩んでいる人も多いでしょう。「一般的に、宿題を自ら進んでする子どもは圧倒的少数。多くの親が、子どもとのやり取りで疲れ切ったり、けんかして家の雰囲気を悪くしたりして、宿題に頭を悩ませています」。30年以上の小学校教諭経験があり、現在は「親塾」を各地で開催する、追手門学院小学校講師の多賀一郎さんは言います。

 「親が宿題を見る」というタスクにはさまざまな悩みが付きまといます。ところが多賀さんはこう言います。「先生は『宿題を出さなくてはいけない』と考え、親は『宿題をやらせなければいけない』と考え、先生も親も宿題を『聖域』みたいに捉える傾向はあります。ただ、小学校のときに宿題をやらなかったからといって大人になって社会で困った人を見たことがありません」

 では、宿題はどうでもいいものなのでしょうか。それも違うと多賀さんは指摘します。「子どもを育てるのは親なので、教育の責任は、最終的に親にあります。宿題も子どもの教育の1つ。そういう意味で、親の関わりは本当に大事です

 宿題は毎日のことなので、子どもがその後ずっと勉強嫌いになるきっかけにもなり得ると多賀さんは指摘します。それを左右するのは、親の対応とも言えるのです。

担任の先生の方針を親は見極めるべき

 宿題に関しては大きく2つの視点があると、多賀さんは言います。