前回の記事「低学年の自由研究 テーマ選びのコツ10」に続き、今回はより具体的なテーマを、学習院大学文学部教育学科の飯沼慶一教授と、東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCASTのメンバーに聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年】
(1) 低学年の自由研究 テーマ選びのコツ10
(2) 低学年の自由研究テーマ10選 調査系&実験系 ←今回はココ
(3) 子どもの視力が低下 ファースト眼がねの選び方
(4) コンタクトレンズは何歳から? 矯正手術の可能性は

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 自由研究のテーマ探しをサポートし始めたものの、なかなか具体的な課題の発見、解決にはつながっていかない……。そんなときには「本やインターネットで紹介されている自由研究のテーマ」を入り口にするといいというのは、前回もお伝えした通り。

 そこで今回は10のテーマを学習院大学文学部教育学科の飯沼慶一教授と、東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCASTで活動する崎原晴香さん、嶋田侑祐さんにアドバイスをいただきながら、「調査系」「実験系」の視点からご紹介していきます。

 飯沼先生は2013年度に学習院大学に着任し、小学校の教員を目指す学生たちを教えていますが、それ以前は私立成城学園初等学校で小学校教員を23年間務めていました。東京大学CASTは学園祭での実験体験型科学イベントの開催やサイエンスショーの上演、出張理科実験教室や科学読み物の発信などをはじめ、精力的に活動しているそう。

 紹介するのはあくまでも一例にすぎませんが、何か一つ、具体的なテーマに取り組んでみると、「もっと、こうしてみたい!」「自分なら違うものをやってみたい!」という気持ちにつながるかもしれません。

調査系:「スポーツのコートの違いを調べる」

 実験で結果を求めることもさることながら、子どもが興味がある物事のなかで疑問を見つけて調べることも、探究的な考え方を身に付けるのに役立つと飯沼先生。

 「スポーツが好きな子なら、スポーツのルールを調べてみたり、スポーツごとのコートの違いを調べてみたりしては」(飯沼先生)

 スポーツの歴史を調べたり体の動きを調べたりとなると、高学年以上のほうが理解が深まりそうですが、低学年のうちはサッカーとフットサルではコートはどのように違うのか、外側のラインはサッカーとバスケットボールで呼び方がどう異なっているのか。反則したらどうなるのかなど、ポイントを絞って調べるほうがよさそうです。また、調べることで、今後、子ども自身が遊んだりそのスポーツをしたりするときに考えることにもつながっていきます。

 「基本的には子どもが好きなスポーツから入るといいと思いますが、接していない分野なら、低学年のうちはあえて誘導してみることも、興味の幅が広がっていいかもしれませんね」(飯沼先生)

画像はイメージです
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<次のページからの内容>

・親子で遊びを楽しみながら調べられるものとは?
・動物が好きな子どもにおすすめのテーマ
・スーパーで売っている食材を調べる
・焼きそばをカラフルに変身させる
・トイレットペーパーの芯でロケット作り