乳歯から永久歯へ生え替わる低学年の頃。なんとなく中途半端な時期で、子どもの歯のケアへの関心が小さくなっている人は多いかもしれません。一方、歯列矯正という言葉がそろそろ気になっている人もいるでしょう。前回に続き、小児歯科専門医で、YUMI Kids Dental Clinic(大阪市)院長の佐々木有美さんに、歯列矯正など低学年の親のよくある疑問に答えてもらいました。
【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)よい歯並びのために 家で見直せる小さな生活習慣
(2)生え替わり期 要注意の歯 歯列矯正いつ始める? ←今回はココ
(3)水害への備えは親子の街歩きから 見るポイントは?
生えている途中の永久歯は「未熟」
7~9歳ごろの低学年の時期は、歯並びや歯列矯正を考えるうえで、どのような時期なのでしょうか。YUMI Kids Dental Clinic(大阪市)院長の小児歯科専門医、佐々木有美さんはこう言います。
「前回記事で説明した生活習慣も含めて、広い意味で改善するチャンスの時期といえます。歯茎から出てきて、生えている途中段階の永久歯は、ピンセットでつかんで前後左右に揺らすと動きます。口の中の状況によっては、生えている最中の永久歯を、スティック(アイスキャンデーの棒)で毎日少しずつ押していると、正しい方向に調整できることもあるくらい、生え替わりの時期の口の中は柔軟です。歯列矯正を考えるうえで、とても大事な時期だと思います」
小学校の歯科検診で歯並びやかみ合わせがよくないと指摘されたり、歯列矯正はいつから始めるものなのか気になったりしている人もいるかもしれません。この時期の歯について親が知っておきたいことや、歯列矯正に関する、低学年の親のよくある疑問を佐々木さんに聞きました。