読書感想文といえば夏休みの宿題の定番です。しかし、子どもがなかなか手をつけなかったり、書いても出来栄えがいまいちだったりで、毎年憂鬱な思いをしている親も多いのではないでしょうか。そこで、神戸市で小学生親子を対象にした読書感想文講座を主宰している近澤麻美子さんに取材。低学年の子が読書感想文を書く際に親が知っておきたいことを聞きました。こちらの前編記事では書き始める前に知っておきたいこと、後編の「読書感想文コツ 低学年でも一人で書き上げ自信に!」では具体的な書き方のノウハウを紹介します。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 低学年の学び 「センス・オブ・ワンダー」が土台に
(2) 前編 低学年の読書感想文 親次第で作文好きにも嫌いにも ←今回はココ
(3) 後編 読書感想文コツ 低学年でも一人で書き上げ自信に!
(4) 低学年のお泊まり体験、経験値を上げ成長する機会に
(5) 人前での発言が苦手な子どうサポート? 3つのステップ

読書感想文は評価の対象外。知らずに焦り、子にプレッシャー

 読書感想文は子どもの宿題です。それなのに親が憂鬱な気分になってしまうのはなぜでしょうか。家庭教師や高校教師、塾講師の立場から20年以上にわたり日本の教育に関わってきた近澤さんは「教育の世界にある評価主義が親の無意識にすり込まれているからでしょう」と分析します。

 読書感想文の宿題はほとんどの小学校で評価の対象ではないので、成績に影響しません。しかしそれを知らない親たちは「学校に提出するのだから評価されるだろう」と不安を抱いてしまうのです。しかも、小学校で作文の指導をされていることはまれなので、きちんと書ける子は少なく、真面目な親御さんほど憂鬱や不安を抱えてしまいます」

 親のメンタルは子どもへの接し方にも影響します。

 「一定のボトムラインはクリアさせないと、と思い、子どもの書いた感想に『えっ、何でそんなことを書くの?』と否定したり、あらすじばかり書いているとダメ出しをしたり、手直しをしてしまったりします」

 近澤さんはそんな親の関わり方について「これでは子どもを作文嫌いにするだけです」と注意を促します。「作文の書き方を教えるのは学校の先生の仕事なので、親御さんが出来栄えに責任を感じる必要はありません。ただし、子どもが作文を好きになるか、嫌いになってしまうかは、親の関わり方が大きく影響します。今年の夏はぜひその点に注意してみてください」

 近澤さんは、低学年の親が意識するポイントとして「読む能力」と「書く能力」は別ものだと意識することが大切だと話します。また、出来栄えを気にせず子どもの「今の目いっぱいの力で書けば十分」だと考えるとよいそうです。

 そのためには、本選びが大切で、書き始める前に子どもの書く能力を把握しておくことも必要です。低学年の子は語彙や表現力が未熟なので、対話を通して、思っていることを引き出し、文章にする手伝いをするのもよいそうです。「最終的に読書感想文の宿題が『楽しく書けた』経験になることで、子どもは自信を持って学校に提出することができ、『ボクは/私は作文が得意、作文が好き』と思えるようになります

 近澤さんが示すポイントを次ページから詳しく聞いていきましょう。3ページ目では低学年の子にお薦めの本も紹介します。

【脱ユーウツ!
低学年の読書感想文 親が知っておきたいポイント】

前編(この記事)ではココを解説
 ◆「読む能力」と「書く能力」は別ものだと理解しておく
 ◆「子どもの今の目いっぱいの力で書けば十分」と考える
 ◆文字数が少なくても子どもの心に残る本を選ぶ
  絵本や図鑑でもOK
 ◆子どもの書く能力がどのくらいかを事前に把握する


後編ではココを解説!
 ◆【読書感想文の書き方】メモを取り、書き言葉でつなげる
 ◆1日で仕上げようとしない。スモールステップで進める
 ◆対話で子どもの内なる思いを引き出し、書き言葉にする。語彙や表現力が未熟な子どもの感想を引き出す方法には?
 ◆読書感想文の宿題を「楽しく書けた」という経験にする。親のNG行動は?

次ページから読める内容

  • 「読む能力」と「書く能力」は別ものだと理解しておく
  • 文字数は少なくてOK ○○○○の本を選ぶ
  • 子どもの書く能力がどのくらいかを事前に把握する

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