小学校に上がると、いろいろなタイプの子どもがいて驚くもの。「自己主張の強い子にやられっぱなし」という自己主張の弱いわが子が心配で、どうしたらよいかと悩んでいるご家庭もあるでしょう。逆に、「わが子の自己主張が強すぎて、友達を困らせているかも…」と気になっている方もいるかもしれません。そこで今回は、自己主張が弱い子、強い子それぞれの対応法について、30年以上の小学校教諭経験があり、現在は「親塾」を各地で開催し、『学校と一緒に安心して子どもを育てる本』(小学館)等の著書がある、追手門学院小学校講師の多賀一郎さんにお話をうかがいました。今回は「自己主張が弱すぎの子」編です。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) うちの子自己主張弱すぎ? 親ができることは? ←今回はココ
(2) 自己主張強すぎるわが子、先生に呼び出されたら?
(3) 低学年からの塾通いに「ため期」逃がすリスク

自己主張の弱い子は、放置すればずっと弱いままのことも

 「小学校低学年のうちは、自己主張が強い・弱いというお悩みは、ほとんどが対処できる範囲内のことが多いので、それほど気にすることはありません。低学年であれば、問題はそれほど根深くなく、保護者の目も届きやすいからです」と、多賀一郎さん。

 「ところが、その問題を小学校高学年や中学生になるまで引きずってしまうと、大きな問題になります。問題がこじれ、さらには親の目が届かなくなり、対処が困難になるケースが増えるからです。自己主張の弱い子は、ずっと弱い傾向があります。ぜひ、低学年のうちに、強い子に立ち向かっていけるような対応法を練習しておきたいところ。その素地を作っておけるのが、小学校低学年という時期です」(多賀さん、以下同)

 学校で起きた問題は、その子の親に伝えるよりも、「連絡帳などを使って、学校の先生に相談する」のが最初の手、と多賀さんは言います。

学校で起きている問題の場合は、まず連絡帳などを使って、学校の先生に相談を(写真はイメージ)
学校で起きている問題の場合は、まず連絡帳などを使って、学校の先生に相談を(写真はイメージ)