河川に関する調査・研究および環境整備などを行う河川財団の調べによると、年間で最も水難事故が多いのは8月、次に多いのは7月。特に全国各地にあって子どもでもアクセスしやすい川は、事故が多い場所です。

とはいえ川遊びは避けなければならないものではなく、リスクを正しく理解すれば楽しくためになる体験がたくさんできるものでもあります。河川財団で「4つのリスク」と対策について聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1)宿題できる低学年、賢い子ほど理由付けと習慣化が鍵
(2)低学年夏のルール作り テレビやゲームの制限は
(3)小学生の河川や湖での水難事故 いつどこで起きるか
(4)低学年の河川遊び 4つのリスクと対策 装備は←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

事故に遭った人がいるから行ってはいけない、ではない教育

 前回、水難事故について、いつ、どこで、どんな時に起こるのかをお伝えしました。とはいえは、河川財団「子どもの水辺サポートセンター」次長の田畑和寛さんは「危ないからと言って、川遊びを諦めないでほしいんです」と言います。

 「子どもたちは川遊びから、多くのことを学べます。例えば川の流れを感じることは、自然の持つ力を肌で感じるチャンスです。また水生生物調査など、自然の中にいる生きものと触れ合うことで、子どもたちが得られる体験はとても大きい。事故に遭った人がいるから行ってはいけないではなく、こういう場合は遊んでいいんだよと大人が教えてあげられるように、リスクを理解してもらえればと思います」(田畑さん)

 早速4つのリスクを見ていきましょう。

<次のページからの内容>

● 水難死亡事故の要因は?
● ライフジャケットは必要?
● 危ないのは「流れ」があるから?
● 流されたらどうすればいい?
● 滑る・流される・落ちる…水辺のひやりはっと
● 天候の変化も危ない 10分間で1.3m水位が上昇したケースも