46.9%。これは、中学生以下の「子ども」の場所別水死者総数における、河川が占める割合です(2003~2017年:警察庁統計)。対して海は23.1%。つまり川は子どもにとって身近な存在だからこそ、不慮の事故にも遭いやすいといえます。さらに、河川財団の調査によれば、水難事故は7~8月の約2カ月間で、年間事故件数の約50~60%が発生しているそうです。

河川で遊ぶ機会が増える夏。低学年の子どもに、どのように危険性を教えればいいでしょうか。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1)宿題できる低学年、賢い子ほど理由付けと習慣化が鍵
(2)低学年夏のルール作り テレビやゲームの制限は
(3)小学生の河川や湖での水難事故 いつどこで起きるか←今回はココ
(4)低学年の河川遊び 4つのリスクと対策 装備は

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

河川は日本全国にあるから子どもが事故に遭いやすい

 夏になると増える水難事故のニュース。水難事故が起きる最大の理由は「そこに水があるから」ですが、夏に増える理由は水遊びが増えることが大きな要因。しかも、海の事故より川の事故のほうが多く、特に夏休み期間中の子どもの事故には注意が必要だと河川財団子どもの水辺サポートセンター主任研究員の菅原一成さんは言います。

 「都市部に住んでいる場合、海辺は子どもだけではなかなか行けません。でも河川は全都道府県いろんなところにあるので、子どもだけでもアクセスしやすいため、事故のリスクも高まります」(菅原さん)

 河川財団が2003~2017年の月別事故発生状況を調べたデータによると、年間で最も水難事故が多いのは8月、次に多いのは7月。夏休み期間、子どもだけで川に出かけて事故に遭ってしまうこともあるのだといいます。

 また、帰省や旅行で出かけた先にある用水路やため池なども、事故が起きやすい場所です。では、子どもたちには、水辺の危険をどのように伝えればいいのでしょう。

 いつ、どこで、どんなときに事故が起きるのか、時間帯や年代別の特徴から見ていきます。

<次のページからの内容>

●水難事故は全国で起きる、多いのはどこ?
●水難事故が起きる時間帯は?
●小学生の水難事故、溺れるのはどんなとき?
●川(水)の中以外で注意すべき場所は?