「わが子を優秀な子に育てたい」「できる限り伸ばしたい」というのは親の共通の願いです。ですが、どうすれば優秀な子に育つのでしょう? 実際に優秀な子の親はなにか特別な子育てをしているのでしょうか? それとも評判の塾に通わせ、サポートしていれば子どもは伸びるのでしょうか? 教育家の石田勝紀さんに話を聞きました。

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「こう育てればこう伸びる」といった正解はない

 自分の子ども時代を振り返ってみると、さらりと勉強をこなし、人によってはスポーツも得意な文武両道タイプの「優秀な子」がいたという記憶はないでしょうか。中には周囲からは頭一つ抜け、ずばぬけて秀でた子もいたかもしれません。

 こうした子どもたちの優秀さとは、持って生まれた遺伝的な資質によるものなのでしょうか? それとも親の能力にかかわらず、工夫次第でわが子を「優秀な子」にすることは可能なのでしょうか?

 これに対し「子の優秀さは必ずしも遺伝だけによるものではない」と話すのは教育家で、多くの親子に接して来た石田勝紀さんです。

 「当然、親が優秀だと遺伝的に子も優秀になるということもあります。けれども、親が自分に自信がある場合、かえって子どもに親の価値観を押し付けてしまい、つぶしてしまうということもあります。

 親も子も、人によって生まれ持った資質や性格、環境などが異なるため、『こう育てればこう伸びる』といった正解はありません。上記の例のように、資質がある子でも、親の対応次第でつぶされてしまう子もいますし、逆に資質がずばぬけたものでなかったとしても、親の対応がよければ子どもはしっかり伸び、その子らしい道を歩んでいけるようになります」

 とはいえ、石田さんによると伸びる子の親には共通した特徴があるのだそう。

 「優秀な子には中学受験でサクサクと上位校に受かっていくタイプの子から、受験をせず公立中学に進学し、趣味や部活動、生徒会活動に励んだ後、高校受験で上位校に入っていくというタイプまでさまざまです。ですが、どちらのタイプの子でも親には共通した特徴があり、実はこれこそが子どもを育てるうえで本来とても大事なポイントです」

 子どもを伸ばす親に共通した特徴とはどのようなものなのでしょう。さらに低学年親にとって気になるトピックである「中学受験する・しない」の選択の場面において、子どもを伸ばす親が重視することなどについても話してもらいます。