共働き家庭の朝は、1分1秒を争う、そんな忙しい時間帯です。そんな中、子どもに朝食をどのように食べさせたらいいのかと悩んでいるご家庭は多いのではないでしょうか。「子どもの朝食がストレスになっているお母さん、お父さん方は多いです」と話すのは、食育指導士で、管理栄養士として保育園での勤務経験もある今泉マユ子さんです。朝ごはんの重要性や栄養管理の考え方について教えてもらった前回に続き、今回は平日の「手抜きメニュー」と、休日の「ゆったりメニュー」について、具体的に提案してもらいました。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1) 忘れ物の多い子 手を貸すか、あえて失敗させるか
(2) どんな子にもできる!「性格タイプ別・片付け術」
(3) 洋食より和食がいい? 子どもの朝食が大事な理由
(4) 栄養満点の“手抜き朝食”と休日のゆったりレシピ ←今回はココ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

平日の朝ごはん、栄養満点の“手抜き”テクニック

 前回、育ち盛りの子どもにとって朝ごはんを取ることの大切さと、押さえておきたい栄養素についてご説明しました。しかし、共働きで忙しいママ・パパにとって、それらをすべて賄うような朝食作りをするのはハードルが高いと思われがちです。

 しかし、うまく手を抜きながらも、大事な栄養素を取ることは十分可能です。今回は、そのコツをお伝えしていきます。

 まず、小学校低学年のお子さんに朝食で必ず取ってほしいのが「炭水化物」です。ごはん、パン、お餅のほか、シリアルなどもオススメです。面倒であれば冷凍食品を活用してもOK。冷凍のうどん、焼きおにぎり、肉まんなども手軽でいいと思います。わが家では、カレーの次の日の朝食は、鉄板の“一晩寝かせた”カレーとして食べるのはもちろんですが、カレーうどんやカレー餅、パンに乗せて“自家製カレーパン”にすることもあります。

 また、前日の残ったお味噌汁もぜひ活用しましょう。豆腐や油揚げが入っていればタンパク質が取れますし、野菜もたくさん入れられます。夕飯時に、翌朝ぶんまで見越して多めに作っておくといいでしょう。

 朝に包丁や火を使う調理をするのは大変なので、缶詰(ツナやあさりなど)や、瓶詰め(鮭フレークやとりそぼろなど)、レトルト食品、冷凍野菜、カット野菜などもどんどん使いましょう。子どもに栄養を取らせようと必死になり過ぎると、気持ちが疲れてしまいます。無理をせず、うまく手抜きをして“心の栄養面”も考えてほしいと思います。

 小学校の給食は、基本的に“動物性”のタンパク質が入るので、朝食は“植物性”のタンパク質を意識するといいですね。豆腐や納豆、豆乳などを取り入れられるといいと思います。これらは買って冷蔵庫に入れておけばそれでいいので、手間もかかりません。

<次のページからの内容>
●足りないときは“ちょい足し”で栄養素をカバー
●調理せずに朝食の栄養価をグンと上げるオススメ食材一覧
●時間がある休日の朝は、子どもと一緒に作ってみよう
●食パンにひと工夫して「ピザトースト」や「お好み焼きトースト」に
●楽しくて栄養価も豊富!「フレンチトースト」レシピ公開