共働き家庭の朝は、1分1秒を争う、そんな忙しい時間帯です。そんな中、子どもに朝食をどのように食べさせたらいいのかと悩んでいるご家庭は多いのではないでしょうか。「子どもの朝食がストレスになっているお母さん、お父さん方は多いです」と話すのは、食育指導士で、管理栄養士として保育園での勤務経験もある今泉マユ子さん。日経DUALの書籍『子どもの頭がよくなる食事』(とけいじ千絵さん著)の監修者でもある今泉さんに、子どもに食べさせたい「朝ごはん」の大切さと押さえておきたいポイントを教えていただきました。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
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(4) 栄養満点の“手抜き朝食”と休日のゆったりレシピ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

子どもにとって朝食が大切な5つの理由

 子どもの健康な心身を育むために、「朝食」は非常に大切です。とはいっても、共働き家庭の朝は忙しく、手の込んだことをする余裕はないのも事実。やみくもに「本当はちゃんと作らなくては」とストレスを抱えるのではなく、まずは朝食がなぜ大切なのか、その5つの理由から知ってもらいたいと思います。

朝食が大切な5つの理由

 1.不足しているエネルギーの補給

 夕食を取ってから、翌朝に食事を取るまでの時間は、平均すると10~12時間ほどでしょうか。その間におなかは空っぽになります。車がガソリンで動くように、私たちも食べ物(栄養)によって動いています。朝ごはんを食べないということは、前日の晩から当日の昼まで、エネルギーを全く補給しないということになるのです。ですから、朝食は体を動かす一日のエネルギー源として、必ず取るようにしてください。

 2.体内時計を整える

 朝に太陽の光を浴びたり、ごはんを食べたりすることで、体内時計を整えることができます。朝食を取ることで、心身ともにすっきり目覚めることができるのです。体内時計がズレてしまうと、夜眠くならなかったりして、生活リズムが崩れ、心身に支障をきたしてしまうことにつながります。

 3.噛むことで脳に血がいく

 しっかり噛むと、こめかみが動きますよね。そうすると血流がよくなり、脳にも血がまわり、しっかり活動を始めてくれます。また、噛むことでセロトニンというホルモンが出て、情緒の安定にもつながります。満足感を得られ、落ち着いた気持ちで学校に行くことができるようになるのです。

 4.体温を上昇させる

 寝ているときは体温が低くなっています。起きてから活発に動けるように、食べることで体温を上昇させる必要があります。朝にごはんをしっかり噛んで食べると、血流がよくなり、体温もアップ。体温が上昇すれば、免疫力も上がり、風邪をひきにくくなります。

 5.排便のリズムを整える

 食べ物が内臓を刺激すると、排便が促されます。小学校に入ると「学校で“大”をするなんて恥ずかしい」という子どもも多く、その場合は便秘につながりかねません。結果として体調不良を引き起こしたり食が細くなったりする恐れもあります。朝にしっかりごはんを食べれば、家で排便をする習慣につながります。

<次のページからの内容>
●朝ごはんで押さえておきたい4つのポイント
●大事な栄養の合言葉「まごわやさしい」を取り入れて
●納豆、チーズなどの発酵食品もぜひ一品加えて
●和食&洋食、朝食にはどっちがいい?
●ごはんはベストの栄養源。果物や乳製品などをプラスすると◎
●洋食は脂質と塩分の取り過ぎに注意