子どもに好き嫌いがあったり、食べるのが遅かったりすると、親はつい「食べなさい!」などと声を荒げてしまいます。頑張って作ったものを食べてもらえないと、親はイライラしてしまいがちですが、それが逆効果になっているかもしれません。毎日の食卓を子どもが自己肯定感を高める場にするためのポイントを教えてもらいました。前回に続いて、子どもが給食で困らないために家庭でできることについて探ります。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1) 共働きっ子の夏休み 一石二鳥の英語体験はいかが
(2) いつもと異なる経験を 民間学童のサマープログラム
(3) 「残すな」と言われ不登校も 給食ハラスメントとは?
(4) 「食べなさい」は逆効果? 食卓で自己肯定感を高める←今回はココ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

家庭で親が取り組めることは実はたくさんある

 「相談内容を見ていると、保育園から小学校に上がった子よりも、お弁当持参だった幼稚園から上がった子どものほうが、給食で悩むケースが多い傾向があります」。そう話すのは、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事として、SNSなどを通じて給食についての相談を多く受けている山口健太さん。

 「お弁当を作る親は、残されるのは嫌なので、子どもが好まない食べ物を入れなくなる傾向があります。すると、子どもは好きなものだけを毎日食べて過ごすことになります。でも、小学校に上がると、子どもに人気の高いメニューばかりが給食に出るわけではありません。苦い野菜や嫌いなものだって出ます。比較すると、保育園で給食を食べてきた子どものほうが、多彩な食材に接してきていると思います。また、食育に熱心な保育園では、小学校に入ってからの練習のために、年長になると食べる時間を短くする試みをしているところもあります」

 「1人の先生に対して子どもの数が多い小学校では、食べない子への個別対応がなかなか簡単ではない現実もあると思います。一方で、家庭で親が取り組めることは実はたくさんあります」と山口さんはアドバイスします。

 そう聞くと、家庭で早くたくさん食べる練習をしたり、好き嫌いをなくすように一生懸命指導したりするのかと想像してしまいますが、山口さんは否定します。

 「家庭でも、『残さず食べなさい』『早く食べなさい』などと言われれば言われるほど子どもはプレッシャーを感じてしまいます

<次のページからの内容>

●仕事で疲れた体にむち打って、せっかく作ったのに……
●食卓を自己肯定感を高める場にするための4つのポイント
●好き嫌いがある子はどうしたらいい?
●食べるのが遅い子は?
●「そんなに嫌なら買ってきたお弁当でいいのに」