子育ては試行錯誤の繰り返しです。習い事や学習教材、勉強法や新しい生活習慣など、良さそうと思って始めてみたものの、やはりわが家には合わなかったからやめる、というように、ひたすらトライ&エラーを繰り返している人もいるでしょう。

しかし、その試行錯誤のやり方自体が「これでいいのだろうか」と不安な人もいるのではないでしょうか。子どものやる気やしつけを科学的に分析し、保護者向けにアドバイスを発信している学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡さんに、「子育てにおける正しい試行錯誤」について聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 習い事・勉強・生活習慣 子育ての正しい試行錯誤は ←今回はココ
(2) 子の身長を伸ばすために、唯一家庭でできることは
(3) 宿題しない、ダラダラする…子を責めずしくみで改善
(4) 低学年女子に多い3人組の仲間外れトラブル、対策は

 「子どもが自分で『やりたい』と言って始めた習い事に、早々に飽きてしまったよう。やめたほうがいいのだろうか」「全然勉強に取り組んでくれない…。教材を変えるべきか?」

 習い事でも勉強法でも、情報があふれ、選択肢が多い現代では、うまくいかないとつい「もっといいものや、わが子に合うものがあるかもしれない」と別の方法を試したくなるかもしれません。けれども、「大前提として、たった一つの正解はないと思ったほうがいい」と菊池さんは言います。

 「世の中の選択肢のほとんどが、90点か95点かの違いしかありません。その5点の差にこだわって親が次々と新しいものを探すくらいであれば、気楽に90点のやり方を続けたほうが親も子も幸せです。肩の力を抜いて取り組んだほうがいいと私は思います」

 その上で知っておきたいのが、「子どもの日々の活動には『トップアップ型』と『ボトムアップ型』がある」ということ。

 「トップアップ型の活動は、例えば習い事や遊びなど、子どもの『好き』『やりたい』がベースとなる活動です。一方ボトムアップ型の活動は、生きるために必要なもの。勉強や食事・睡眠などの生活習慣ですね。これらは、トップアップ型の活動と違って、やりたくないからやらないというわけにはいきません」

 トップアップ型の活動とボトムアップ型の活動では、試行錯誤の方法も変わってくるそうです。どういうことでしょうか。

この記事で読める内容
・子どもの「習い事やめたい」は本心ではないことも。見極め方は?
・子どもが進んで勉強するようになる仕掛けとは?
・正しい試行錯誤をするために、親が心得ておくこととは?