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感情や行動を自分でコントロールできる子に 学力向上も

コントロールするためには、まずは「気づく力」を育むことが大事。家庭でできるアプローチとは


うまくいかないことなどがあると、不機嫌になったり、怒ったり、泣いたり、まだまだ気持ちのアップダウンが激しい小学校低学年。「自分の気持ちとうまく付き合える子になってほしい」と願う親は少なくないでしょう。「自身の感情や考えに気づくことができて初めて、それを適切にコントロールすることが可能になる」と話す、一般社団法人日本SEL推進協会代表理事の下向依梨さんに、家庭で取り組めることなどを聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 気になる第1子の「王様気質」、カギはリーダー教育
(2) 低学年が取り入れやすいADHDの子向け片付け対策
(3) 子の心理的安全性 家庭での確保難しいと感じる場合は
(4) 感情や行動を自分でコントロールできる子に 学力向上も ←今回はココ

「気づく力」と「コントロールできる力」はセットで考える

 低学年の子どもを育てる共働きママ、Aさんには、こんな悩みがあります。「うちの子は、宿題の問題が解けなかったり、間違いを親に指摘されたりすると、不機嫌になったり、怒ったり、泣いたり。こんなとき、親が丸付けを担わなければならないと、ついイライラして、『早く感情を自分でコントロールできるようになってほしい』と思ってしまいます」。場面や原因は違えど、似たような悩みを抱える親は少なくないかもしれません。

 「1~2年生の場合は、子どもによっては、自分が今『快』の状態か、『不快』な状態なのかだけが分かっていて、どんな因果関係があってその状態になっているかが理解できていないという発達段階にいるケースもあります」。そう話すのは、一般社団法人日本SEL推進協会代表理事でrokuyou代表取締役の下向依梨さん。

 下向さんは、米国の大学院在学中、米国の学校に導入が広がるSEL(Social Emotional Learning)に出合ったことがきっかけで、帰国後に同協会を立ち上げ、日本各地の学校にSELを伝える取り組みをしています。「宿題の例で関係するのは、SELで育む5つの能力のうち『自分の感情、考えを理解する能力(自己認識能力)』と『自分の感情、考え、行動の状態を理解し、コントロールできる能力(自己管理能力)』です。何かをコントロールするためには、まずその対象に『気づく』ことが大事。つまり、『気づく力』と『コントロールできる力』はセットで考える必要があります

 SELは、Social(社会的能力=ソーシャルスキルなどと言われるような、人と関わる上で良い関係性を構築するための能力)とEmotional(気持ちに関わる能力=「EQ」で表される、自分や他者の気持ちの動きに気づき、うまく付き合える能力)の2つの能力を育む教育アプローチとされています。

下向さん提供
下向さん提供

 SELは、特定の教育メソッドや固有のプログラムを指す言葉ではない、と下向さん。「SELは、例えば一つのプログラムを授業に導入すれば即効性がある、というものではなく、環境設定に近いもの。だからこそ、学校だけでなく、家庭、地域コミュニティーなど学校外も含めた多面的アプローチが必要というのが重要な点です」

 また、社会的能力や気持ちに関わる能力を育むことが、学力アップにもつながるそうです。「そもそもは青少年の社会復帰プログラムのような形で開発されたのですが、研究が進む中で、課題がある子どもが、その課題を乗り越えることを支えるだけでなく、プラスの状態にある子たちをよりよい状態にする効用があることも分かりました。北米や欧州でも、暴力行動など課題を抱える状態の子が多い学校で実装されている場合もあれば、米国の私立校ヌエバスクールのようにIQ(知能指数)が極めて高い子ばかりのエリートスクールで導入されている場合もあります。日本でも、学力に関してもプラスの効果があったというデータが出されています。多様な目的に向けて、SELは導入できるのです」

 「即効性はない代わりに、一度身に付けたら、学習面やスポーツ面など、あらゆる力の基盤になる」と話す下向さんに、「気づく力」と「自分の感情や行動を理解し、コントロールできる力」を育むメリットや、小学校に導入されている道徳との違い、具体的に家庭で取り組めることなどについて、聞いていきます。

この記事で読める内容

・そもそも、自分の感情や行動を理解し、コントロールできると、どんな「いいこと」がある? 学習能力も高まる理由は?
・似て非なる、道徳教育とSELとの違いは
・家庭に取り入れたい「月1」の習慣
・子どもの気持ちのままに行動させていいの?

次ページから読める内容

  • 「ありたい自分でいられる」メリットが
  • 道徳と大きく異なる点
  • 個々のニーズを満たす取り組み
  • 子どもが自己理解を深める手助けを
  • 「気持ちの共有」を家庭内のカルチャーに
  • 気持ちのままに行動させていいの?
  • 「学校に行きたくない」と言われたら

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