性別問わず子どもはかわいいものですが、「男の子は特にかわいくて」というママや、「女の子の言うことはつい聞いてしまう」というパパは、皆さんの周りにも多くいるのではないでしょうか。もちろん男の子だから、女の子だからと区別することなく子育てをしているつもりではあるものの、もしかしたら異性故に「理想の男性像」「理想の女性像」を重ねてしまうことがあるかもしれません。

そしてもしその行動が、過剰になってしまったら?

ほあしこどもクリニック副院長であり、公認心理師の帆足暁子さんに、異性の親子関係での注意点を伺いました。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1) 異性の親子関係 低学年から注意すべきこと←今回はココ
(2) 同性の親 自分がなりたい自分を投影してないか
(3) 子どもの骨を強くするのに必要なのは運動+睡眠
(4) 低学年の子ども 足りていないのはカルシウム?

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 子どもは等しくかわいいもの。そう思いながらも「息子が恋人のような発言をしてきてかわいい」というママや、「娘にお願いされるとつい応えてしまう」というパパは、多いのではないでしょうか。

 「いやいや、そんなことはないよ」という場合でも、親世代が育った社会状況を考えると、もしかしたら異性を育てるときに「男の子だから」「女の子だから」という目線で見てしまっているかもしれません。

 ほあしこどもクリニック副院長であり、公認心理師の帆足暁子さんは、「子育てでは、親世代が性別にとらわれている可能性があるということに注意してほしいですね」と言います。

 「もちろん言語発達の早さなど、男女で成長に特徴の違いが出ることはありますが、子育てをしていく上では個々の子どもによる違いはあっても、性別による違いがあるとは言えません」

 一方、親は「男の子だから」「女の子だから」といった性別役割分業を前提とした育て方をされてきた人が多い世代。それが無意識にわが子に対し「男の子だから」「女の子だから」というフィルターをかける要因にもなっているとも言えます。

 親が子どもをかわいいと思うこと自体はいいことですが、異性の子どもを「特別扱い」することで、やはり弊害はあるようです。

 次ページから異性の子どもの子育てにおける注意点を帆足さんに答えてもらいます。

<次のページからの内容>

● パパ×娘、「大好き」を求めた自己中心的子育てに注意
● ママ×息子、「あんな人になったら困る」が危険!?
● 夫婦間の愚痴や悪口は子どもの前ではなるべく言わない
● 理想の異性像を子どもに押し付けていないか見直す