入学前から「PTA活動は大変らしい」という噂を耳にし、不安を感じていた人もいるでしょう。保育園にはなかった活動だけに、1年生の親の場合、PTAがどのようなものなのか、そのイメージも分かりにくく不安が膨らみます。PTAのどのような点に課題があるのか、その上で親としてなにができるのか、ジャーナリストの大塚玲子さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) PTA「必ずやって」のなぜ、共働き親の選択肢は? ←今回はココ
(2) PTA参加で共働きが押さえるコツ 効率化提案は慎重に
(3) 中野信子 毒親からの支配、連鎖させないためには

「6年間で必ずやってください」の強制が重い……

 子どもが小学校に入学すると始まるPTA活動。初めての保護者会で「PTA委員決め」を経験した人も多いでしょう(委員=クラス代表委員や専門委員のこと。学校によって「役員」など呼び方はさまざま。以下「委員」)。ただ仕事を持つ親の中には「委員になったらどれくらい活動をしなくてはいけないのか?」「仕事との両立は可能なのか?」などと、PTAについて不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

 「こうした不安を持つ人は多いです」と話すのは、長年PTAについて取材をしてきたジャーナリストの大塚玲子さんです。

 「PTAは戦後アメリカから導入されたもので、教職員と保護者が協力して、子どものための活動をする組織です。活動内容は組織ごとにさまざまですが、経験者に聞くと『やってみたら楽しかった』という声が意外と多いのも事実です。

 にもかかわらず、保護者が不安を感じる理由は、『6年間に必ずやってください』などというあり方にあるのだと思います。仕事をする親にとって『必ず』という強制は重く感じられて当然です」

 大塚さんは、現在高校3年生の息子を育てていて、自身も子どもが小学校時代からPTA活動をしています。

 「うちの子が小学生だった頃に比べるとPTAを取り巻く空気はだいぶ変わってきます。今でこそPTA参加にまつわる『なぜ?』を話題にできますが、以前はそうした踏み込んだ疑問を話題にすることはタブーな雰囲気でした。ただし、現在も保護者がPTAに参加する以外に他の選択肢があるかといえば、それはないところがほとんどです。

 まずはPTAにある課題を知ってほしいと思います。その上で仕事との両立が難しい場合はどうすればいいのか、親が取れる選択肢を考えるようにしてください」

 次のページから、PTAの課題や親の選択肢について、大塚さんに詳しく教えてもらいます。