保育園卒園と同時にスタートする「学童保育」。最近では、公設でも一般的な「学童保育」だけでなく、放課後の校庭や児童館を開放する「放課後子ども教室(ランドセルひろば等※)」、それ以外にも民間学童や習い事など、子どもの放課後の過ごし方にも選択肢が広がっています。ただし、学童期には子どもの自我も強く出てきます。そのため、公立学童にずっと通い続けられるとは限らず、留守番を決断する親も少なくないようです。後編では、公立学童以外の経験者である3人のママによる、「わが家の自宅留守番のルール」「学童をやめて得られたメリット」などについて、リアルトークをお届けします。(※ 自治体により呼称が異なります)。

【年齢別特集 小学校低学年ママ・パパ向け】
(1) 学童はイヤだと言われたら…民間学童、留守番の選択
(2) 子どもの一人留守番はいつから?家庭の放課後ルール ←今回はココ
(3) どんな子でもスラスラ進む日記・作文の書き方
(4) コンクールで表彰される読書感想文は何が違うの?

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

<座談会参加者プロフィール>(氏名はいずれも仮名)

川股さん(専門職)
東京都・目黒区在住。中1男子、小5女子のママ。子どもたちは2人とも、それぞれ小2の夏休み後に公立学童をやめ、その後、放課後を自由に過ごすように。パパが深夜まで勤務のある飲食業のため、比較的融通の利くママが17時ごろに帰宅するなどして対応。

宮田さん(会社員)
東京都・杉並区在住。中1男子、小2女子のママ。兄は小3まで学童を継続。妹は小1の2学期で公立学童をやめた。ママの帰宅時間は通常は18時、遅い日は19~20時。パパの帰宅は21時以降。

澤田さん(自営業)
東京都・港区在住。小4男子のママ。公立学童と民間学童を併用。小1~小2までは、週2日は公立学童、週3日は民間学童を利用。小3からは、週3日で公立学童(ランドセル預かり)、週2日は民間学童。現在(小4)は、週2日は民間学童に通い、それ以外の日は自由に過ごす。夫婦ともに18時ごろには帰宅可能。

学童を「やめる」のではなく「減らす」

日経DUAL編集部(以下、――) 前編では、お子さんが学童をやめるに至った経緯や、子どもだけの放課後に起きたトラブルについてお話がありました。引き続き、それ以外の思いがけないトラブルがあれば教えてください。

澤田さん(以下、澤田) うちの息子はよく、民間学童で友達とトラブルに遭っていました。息子の通っていた民間学童は、男子比率が高い割に施設がすごく狭くて、子どもたちがエネルギーを持て余していたんだと思います。実際のところは分かりませんが、息子は「年上の子から殴られた」と訴えてきて、それがきっかけで民間学童に行きたがらなくなってしまいました。

―― それで、どのように対処したのですか?

澤田 週3日通っていた民間学童を週2日にして、その分、公立学童を週3日に増やしました。もちろん、それで息子が納得するわけではないのですが、親としては、もう少し自分が与えられた環境でうまくやっていく方法を見いだしてほしいという気持ちもあって。

澤田さん(自営業):小1時代は公立学童と民間学童を併用。現在(小4)は、週2日で民間学童に通い、それ以外の日は自由行動に
澤田さん(自営業):小1時代は公立学童と民間学童を併用。現在(小4)は、週2日で民間学童に通い、それ以外の日は自由行動に

 というのも、息子は小1から小2にかけて人間関係でのストレスにいつも悩んでいたんです。民間学童だけに限らず、「公立学童もイヤ」「学校もイヤ」とすべてに文句ばかり言っていたので、ここで逃げてしまっては、そのときは幸せかもしれないけど根本的な解決にはならないのではないかと思いました。

―― あえて続けるべきだと判断したのですね。その後、息子さんに変化はありましたか?

澤田 3年生にもなると、自然と友人関係でのトラブルは減っていきました。ただ、今度は学校に行きたがらなくなってしまって。

 理由は複数あるようなのですが、もしかすると、私と夫の仕事が忙しい時期で、息子としては慣れない学校や学童生活から癒やしを求めて家に帰ってきても、私たちが自宅にいないので「放っておかれている」と感じていたことも一因かもしれません。私や夫が早く帰るようになった今では、一度も休むことなく学校へ行くようになりました。

―― 両親の働き方をどのように変えたのですか?

澤田 私は、息子との待ち合わせ時間である18時30分に遅れないよう、以前なら18時ギリギリまで入れていた会議を、遅くとも17時までには終わるようにしました。夫の会社も同じ時期に「働き方改革」がスタートし、そのころから夫婦ともに早く帰れるようになったんです。

―― 宮田さんは、娘さんを一人留守番させるなかで“ヒヤッ”とした経験はありますか?

<次のページからの内容>
● 留守番は、子どもが「自立する」チャンス
● わが家の「放課後ルール」はこれ!
● 学校の宿題は、その子のペースに合わせる
● やめるか否かは、子どもの個性やタイミング次第