きょうだい育児をしていると、親は上の子には、下の子をやさしく気遣い、フォローをしてほしいと願います。でも現実は必ずしもそのようにはならないもの。時に「年上の自分が偉いのは当然」といったような態度で、下のきょうだいに理不尽な指示や命令を出すようなこともあるかもしれません。こんなとき親はどのように対応すればよいのでしょう。心理カウンセラーの三浦くみ子さんに話を聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 気になる第1子の「王様気質」、カギはリーダー教育 ←今回はココ
(2) 低学年が取り入れやすいADHDの子向け片付け対策
(3) 子の心理的安全性 家庭での確保難しいと感じる場合は
(4) 感情や行動を自分でコントロールできる子に 学力向上も

気になる第1子の「王様気質」、カギはリーダー教育

 きょうだい育児をしている場合、上の子が「新しいおもちゃはまず自分が先に使いたい」「自分の決めたルールで遊びたい」などと、下の子に対して王様気取りな物言いをすることはないでしょうか? こうした場面に遭遇すると「下のきょうだいに対して、こんなに偉そうな言い方をするのはなぜ? そもそも上の子はこうした態度を取りがちなのか? それともこの子の気質なのか?」と悩む親もいるでしょう。

 これに対し「上の子が王様気取りになってしまっているとすれば、それは気質ではなく環境、つまり親の対応に原因があります」と話すのは、子育てや親子関係に詳しい心理カウンセラーの三浦くみ子さんです。

 「上の子と下の子とでは、年齢差がある分だけ、できることにも差があります。特にその差が顕著になるのが上の子が小学生で、下の子が未就学という時期です。上の子の『自分はできる』という自信が、変にねじれてしまったときに『だから自分は下の子より偉いんだ』『自分も下の子に指示を出したい』という王様気取りの言動につながってしまいます。こうしたねじれを生み出す要因が、親の対応です」と三浦さん。

 特に朝や夕方が忙しい共働き家庭ほど、親の「ある行動」が上の子を王様気取りにしてしまいやすいのだそう。逆に、親の対応を変えることで上の子を王様気取りから、よいリーダーへと変えることができると三浦さん。ここからは、親が上の子を王様気取りにしてしまう原因や、よいリーダーへと変えていくための対応などについて詳しく聞いていきます。

王様気取りな上の子をよいリーダーにするためのコツ

・親が上の子に○○頻度を見直す
・○○○○の気持ちを伝える
・○○○○を重視した言い方を心がける
・垂直比較と行動実況を心がける