わが子には色彩感覚や美術への造詣を深めてほしい。そう思って美術館に行っても子どもはあまり関心を持たずに「早く出よう」と腕を引っ張る、ということはないでしょうか。「色彩感覚や美術への関心を育てることは家庭でもできます」というのはケーキデザイナーであり、芸術教育士の太田さちかさん。子どもとママに向けた製菓クラスやワークショップを行う「My little days」を主宰する太田さんに話を聞きました。

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色彩感覚を養いつつ、名画・名作を食べる

 子どもには豊かな色彩感覚を身に付けてほしい、教養として美術を楽しんでほしい、と願うママ・パパも多いでしょう。しかし、いざ美術館に行っても見た絵画が子どもの印象に残っているのか、いないのか分からない、混雑していて肝心の絵画がじっくり観賞できない……ということはないでしょうか。

 「そんなときは家庭で名画・名作を再現したスイーツを楽しんでみてはどうでしょうか。意外と簡単に再現できるスイーツもあります」と、ケーキデザイナーであり、芸術教育士として製菓クラスやワークショップを行う太田さちかさんは言います。これまでにフェルメールやムンク、ゴッホ、ポロックなどの作品を子どもたちと鑑賞しつつ、スイーツで再現してきました。

右上はチョコレートペンでモナリザを描いた作品。残り3作品のレシピは本記事4ページ目で紹介
右上はチョコレートペンでモナリザを描いた作品。残り3作品のレシピは本記事4ページ目で紹介

 太田さんのクラスではまず作品を鑑賞し、それからスイーツをつくります。

 「最近ではフェルメールの作品をテーマにしたスイーツをつくりました。『後でこの作品をテーマにしたスイーツをつくるよ』と声をかけると、子どもたちも『じゃあどんな作品だろう』と細部まで作品を見ようとします。『光がこちらの方向から当たっているね』『そうするとフェルメールはいつも同じ時間、同じ場所から絵を描いていたのかな』と興味を深めていました。また、つくって食べるという体験ができ、さらに食べることで味覚が刺激されるため、記憶として残りやすくなります。

 偉大な作品も『食べる』という人間の三大欲求を織り交ぜることで身近に感じられ、色彩感覚や美術への関心を養うきっかけとなります。家庭で再現しやすいレシピも紹介するので、ぜひゴールデンウイークに楽しんでみてください」

 では、色彩感覚を養うことは、なぜ大切なのでしょうか。太田さんは、「単に美的センスが高まるだけではなく、学習面でもプラスになるなど、さまざまなメリットがあります」と話します。

この記事で詳しく読める内容
・色彩感覚を養うことにはどんなメリットがある?
・色彩感覚を磨くことが、学習面でもプラスになる理由
・名画・名作を親子で楽しむ意味とは
・家庭でできる3レシピ「ポロックのチョコレートバー」「フェルメール・ブルーのようなゼリー」「ゴッホのフォカッチャ」を紹介