仕事に子育てに家事にとフル回転の毎日、ふと気づくと「子どもとゆっくり向き合っていない」「スキンシップもしていない」ということはありませんか。そんなときは子どもにマッサージをしてあげるのはどうでしょう。特に、足裏には体の各部位につながる「反射区」があるので、足裏をほぐすだけで全身に効くと言われています。無理なく習慣化でき、リラックスなどの効果をアップするタイミングや方法について、「癒しと温かな手の学校」校長の鈴木きよみさんと、セラピストの鈴木由萌(すずき・ゆめ)さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 子のウソは発達理解のバロメーター 要注意なウソも
(2) 親子で楽しみながら色彩感覚を磨く 学習効果も期待
(3)親子仲改善、学力向上効果も? 親子足裏マッサージ ←今回はココ

スキンシップで親子関係も改善

 小さいときは毎日「抱っこ」と甘えてきたのに小学生になってからスキンシップが減った、そもそもそんな時間もない。子どもとの心身の距離は開く一方で、こんな毎日でわが子は健やかに育つのだろうか、などと心配になることはないでしょうか。

 「そんなときには1日1分でもいいので、子どもの足裏をマッサージしてあげてください。マッサージが大変でしたら、足裏をもむだけでもいいですよ」と言うのは「癒しと温かな手の学校」校長で、「鈴木きよみクリニカルサロン」のメインセラピストとして延べ30万人以上の足を見てきた鈴木きよみさんです。

 「まず、マッサージ自体にリラックス効果があります。しかも、マッサージを受けている側だけではなくて、マッサージをしている側もリラックスできるんですよ。肌と肌との触れ合いがあると、『愛情ホルモン』『幸せホルモン』とも呼ばれるオキシトシンが分泌されます。今は新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻のニュースで不安定になっている子どもも多いと思いますが、マッサージは、そんな子どもたちの情緒を安定させることにもつながります」

 実際に、オキシトシンが分泌されると、ストレスに強くなることが分かっています。不安やストレスを感じると、体内でストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。オキシトシンには、そのコルチゾールの分泌を抑制する効果があるのです。一方、東邦大学などの研究で、ストレスを感じると脳内ホルモンのセロトニンの分泌が減り、連動してオキシトシンが減ることも分かっています。だから、定期的なスキンシップでオキシトシンを補充するといいでしょう。

 「さらに、どこをマッサージするかも重要です。特に体の土台である足裏は大事です。東洋医学や、西洋のリフレクソロジーでは、足裏にはそこを刺激するだけで全身に影響を与えるとされる『反射区』『ゾーン』の考え方があります。私が提唱する足裏マッサージは西洋のリフレクソロジーをベースに、足ツボを刺激するマッサージを組み合わせ、30万人以上の足を見る中で確立した独自のメソッドです。

 ゾーンは足ツボのようにピンポイントで押さなくてもOK。ぜひ、親子の新習慣として、今日からでも始めてみてください。

 ちなみに野球のイチローさんや松坂大輔さん、フィギュアスケーターの浅田真央さんなどトップアスリートの人たちも、小さいときに足裏のマッサージを受けていたそうですよ」(鈴木きよみさん)

 手軽にできる足裏マッサージですが、マッサージをする時間や学力アップにつながる反射区を知っておくことで、なお効率が上がります。また、低学年のうちから習慣化しておくと、高学年や思春期になってからの親子関係の維持にも役立ちます。実際に子どもに足裏マッサージをしているママが実感している効果などについても紹介します。

子どもの足裏には「やる気を出す」「度胸をつける」といった効果が期待できる反射区がたくさんある
子どもの足裏には「やる気を出す」「度胸をつける」といった効果が期待できる反射区がたくさんある

 では、その詳しい方法について教えてもらいましょう。

この記事で詳しく読める内容
・足裏マッサージの効果的な時間帯は
・足裏マッサージは誰がするのが効果的?
・平日と休日、親が疲れているときで、マッサージの内容は変えていい
・やる気や記憶力をアップさせ、度胸をつけるゾーンはどこ?