ついに新学期もスタート。子どもたちはもちろん、親も環境の変化や新しい出会いに少し緊張しているころではないでしょうか。

 学年初めといえば、クラスの顔合わせとともに、PTAやクラスの役員決めも大きなイベント。働くママにとっては、時間や仕事との兼ね合いもあり、なかなか難しい問題です。

 小学校になれば働いているママが増えるため、「仕事があるから」という理由で避けられないという噂を聞くと、両立はできるのか不安になるママも多いはず。活動内容はもちろん、人間関係のトラブルなどなかなか一筋縄ではいかないPTAについて、先輩ママの体験談をお送りしていきます。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)新学期のスケジュール管理 寝る時間、宿題時間
(2)小学校PTA 積極参加、しぶしぶ参加?ノルマは? ←今回はココ
(3)PTA 「子どものため」が呪縛になっている
(4)お小遣いの金額よりも「お金を使う経験」が大事

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「働いているのでできません」では断りにくいのが実情

<プロフィール>

Aさん 中1、小4、2歳の子どもがいるフルタイム会社員ママ。第一子と第二子合わせて、PTAでの書記を2回、その他委員を2回の計4回を経験。
Bさん 小4女子がいるフルタイム会社員ママ。小3でPTA副会長を経験。
Cさん 小6男子がいる自営業ママ。小1と小2で委員を経験。
Dさん 小3男子がいるフルタイム会社員ママ。小2で委員を経験。

 DUAL世代が小学生のころにも当たり前のようにあったPTA。どういった組織なのかというと、PTAとは「Parent-Teacher-Association」の略で、保護者と教職員が共に協力して様々な活動を行い、児童へ還元していくボランティア組織のこと。実は参加に強制力はありませんが、加入が当たり前のようになっている学校がほとんどではないでしょうか。

 保育園時代とは違い、小学校になると、専業ママ、パートタイムママ、フルタイムママなど生活スタイルがさまざまな人たちが集まるうえに、仕事をしているママも増えるため「働いているのでできません」では断れないのが実情だとか。今回お話をお聞きした4人も、全員がPTAや役員の経験者でした。

 まずは、各学校で、PTAはどのように運営されているのでしょうか?

 「会長、副会長、書記、会計から成るPTA役員が取りまとめ役を担い、その他の委員として、校外委員や広報委員、役員候補推薦委員、学校や地域での各種行事(お祭りやデイキャンプ、地域運動会、餅つき大会など)など10人以上の担当委員がいます」(Aさん)。委員会の種類や数は地域によってさまざまですが、基本的にはこのような組織で運営されています。

 そして、よく聞くのが、「在学中に必ず○回、PTAをやること」というノルマ。そのノルマは絶対? ノルマをこなせなかったらどうなるのでしょうか?

 「子ども1人につき、PTA役員もしくは委員会を2回は担当するというのが、うちの小学校のルールです。とはいえ、誰かが厳密に数えているわけではないので実はあやふやな気もします。けれど、役員や委員にならない人には、お手伝い係というのが全員に割り振られるので、何もやらなくていいという年はありません」(Dさん)

 「子ども1人につき最低1回ですが、児童数が少ないので在学中に最低2回は回ってきます。ただ、ポイント制は推奨されていません」(Aさん)と、ルールはありながらも厳密には規定されていないことが多いようです。

 役員の選出は、学年初めの保護者会で行うことが多く、すんなり決まることもあれば、難航するケースも多々あるそうで、「うちの小学校では中学受験をする家庭も多く、やはり低学年のうちに済ませたいからか、希望者が殺到します。希望者が多い場合はじゃんけんです。低学年のうちは希望者がいないことはありませんでしたが、高学年になったらどうなるのか、想像するとちょっと怖いですね」(Dさん)。どうしても決まらない場合は、くじ引きをすることになるそうです。

 昨年Cさんは、PTAの選出委員から「どうしても立候補者がいないので、引き受けてもらえないでしょうか」と電話がかかってきたのだとか。「まだPTA役員を引き受けていない家庭一軒一軒に電話をして、お願いをしているとか。その労力を思うと、PTAって何のためにあるのだろう……と思いながらも、本当に申し訳ないのですが、こなせる自信がなくてお断りしました」(Cさん)

「在学中に必ず○回、PTAをやること」という決まりがある学校は多い
「在学中に必ず○回、PTAをやること」という決まりがある学校は多い
<次のページからの内容>
● 気軽な気持ちで「〇」をつけたら副会長に
● 人間関係や学校の仕組みが分かったのがよかった
● 会社のメンバーにも「今年はPTA」と報告
● 楽しみながらできそうなことを重視
● 餅つきの協賛金を町中に回収に行ったけれど…
● 昔からそういう決まりだから、ということが多すぎる