自然体験は五感を鍛えるのに非常に役立つといわれ、「低学年のうちに体験したことは、4年生以降の学習にも役立つようになる」と学習院大学文学部教育学科教授の飯沼慶一さんは言います。身近にある自然や家でできる、低学年向けの自然体験の方法やポイントについて、飯沼さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
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『味覚』『嗅覚』『聴覚』『視覚』『触覚』を育む

 春は公園や緑道などでも草花が芽吹き花が咲き、元気に飛ぶ鳥や虫が増え、家の近くで自然体験をするチャンスが増えます。

 毎日の生活の中でする自然体験は五感を育むのに役立つと、学習院大学文学部教育学科の飯沼慶一教授は言います。

 「例えば、渋柿を食べたことのない子でも、渋柿を食べれば苦いような舌がしびれるような感覚を経験でき、なぜ渋柿という名前が付いたのか、よく理解できるようになります。自然体験は、知識と体験を結び付け、五感を育むのに大いに役立ちます」

 子どもに自然体験をさせる際には「『嗅覚』『聴覚』『視覚』『触覚』『味覚』を刺激するのがポイントです」と飯沼さんは言います。

味覚:草花の味比べ 嗅覚:においを表す形容詞探し 聴覚:春に変わる鳴き声に注目 視覚:桜の花弁やタンポポの種比べ 触覚:触り心地を感じる体験

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