小学生になると、子どもが一人で行動する時間が生まれます。放課後は学童保育に行く子どもが多いと思いますが、土日は友達の家に遊びに行ったり、逆に自宅に呼んだりすることもあるでしょう。友達同士で遊びに出かけたり、同じ習い事に通ったり、親の目の届かない範囲での行動が増えていきます。

 もちろんそれは子どもの自立には必要なことであり、親としても負担が軽くなるわけですが、事件や事故に遭ったり、何かのトラブルに巻き込まれたりしないか、心配なのが本音。そうならないように、行動範囲や門限などを決めておきたいところです。

 今回は、そんな「家族ルール」の決め方や考え方についてご紹介します。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 新一年生 通学、放課後の安全対策と親の心構え
(2) 「家族ルール」の決め方 留守番・門限・行動範囲 ←今回はココ
(3) 「うちの子、発達障害かも…」早期発見と対処法
(4) 発達障害は子どもと親、両方にサポートが必要

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

家族会議で決めることが鉄則

 子どもが一人で行動することには不安もあるけれども、ルールでがんじがらめにするのもかわいそう…。なかなかバランスが難しい「家族ルール」ですが、夜間保育&学童保育所を運営する認定NPO法人あっとほーむ代表の小栗ショウコさんは「親が一方的に押し付けるのではなく、家族で話し合って決めることが大事」と話します。

 「家族ルールとしてまず決めることになるのは、大きくはどこまで行っていいかという『行動範囲』と何時までに帰ってくるかという『門限』だと思います。そこを親が一方的に『どこどこまで、何時までに帰ること』なんて決めても、子どもはすぐ忘れます。でもルールを決める意思決定に子どもを巻き込めば、忘れにくくなりますし、自分で決めたことだからと守ろうとする気持ちも強くなります。ですので、まずは家族ルールを決める“家族会議”を開きましょう」

 実際にルールを決めるときのポイントは、「細かくし過ぎないこと」だと小栗さんは続けます。

 「あまり細かく決めてしまうと、子どもが窮屈に感じて、伸び伸びと遊ぶことができなくなります。例えば行動範囲なら『町内』とか、門限は『日没まで』とか、そんなざっくりとしたものでいいと思います。日没時間は季節によって違うので、夏は18時まで、冬は17時まで、くらいが無難なところではないでしょうか」

 自身も二児のママで、埼玉大学教育学部教授の吉川はる奈さんに、もう少し具体的な、押さえておきたい基本的な「家族ルール」の例を聞きました。

<次のページからの内容>
●基本的な家族ルールの例
●留守番はスケジュールを詰め込み過ぎないように注意
●ルールと罰則はセットで決める
●友達の家に遊びに行くときの7つのポイント