親がマンガを与えなくても、学童で読んだり、友達に借りたりして、子どもがキスシーンを目にしていることは珍しくありません。子どもがその話題に触れてきたときに、どう反応すべきか迷ってしまう親は少なくないでしょう。禁止したり過剰反応したりせず、上手に性教育のきっかけにすることはできるのでしょうか。性教育に関する親向けのワークショップなどを開催する医師夫婦ユニット「アクロストン」に、親が意識したいポイントを教えてもらいました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) キスシーンのあるマンガ 低学年から読んでもOK? ←今回はココ
(2) 低学年の運動不足が骨の強度に影響 外遊び足りてる?
(3) 低学年に適した運動とは? 過度な運動にはリスクも

思わず過剰反応したり、否定的な態度をとったり

 親の知らない間に、キスシーンが出てくる少女マンガなどを低学年の子が読んでいた場合、親は少し戸惑ってしまうかもしれません。「え、そんなマンガ読んでるの? ちょっと早くない?」と思わず過剰反応したり、否定的な態度をとったりすることもあるでしょう。

 「少女マンガの中には結構大人っぽい感じのキスシーンも出てきたりするのでびっくりすることもありますよね。『こんなの読んで大丈夫?』と思う気持ち、よく分かります」と小学生2人の親で、性教育に関するワークショップなどを開催する医師夫婦ユニット「アクロストン」のみさとさんとたかおさん。

 「キスそのものが悪いものかというと、そういうわけではありません」。ただ、低学年の子がマンガでキスシーンを読むに当たって、親が気を付けたい視点があると言い、それを踏まえた上で性教育のきっかけにすることを勧めています。

 「性の話は単なる知識を覚え込むだけでは意味がなくて、自分で考えることが必要です。好きなマンガであれば少し難しい性教育のテーマも子どもにとってとっつきやすい。子どもがマンガ好きだったら、性教育のきっかけにすることは可能というか、むしろお勧めです」

 マンガを上手に性教育につなげるために、親が意識したいポイントについて、アクロストンの2人に次ページから詳しく聞きます。

子が少女マンガを読むなら 親が意識したい5つのポイント (1)少女マンガ好きなら、性教育のきっかけにすることはお勧め (2)「キュン」はいいけど「同意が取れているか」に注目 (3)あくまで作り話であり、本当のことだけではないと伝える (4)焦ってキス以上のことまで伝える必要はない (5)暴力的表現やジェンダーについても一緒に考える