共働きで毎日の食事にあまり手がかけられないDUAL家庭では、どうしても外食や中食(出来合いのお弁当やおそうざいなど)に頼りがち。DUAL読者からは「栄養面が心配」「食育がちゃんとできていないのが後ろめたい。どうすれば?」といった悩みの声が聞こえてきます。そこで、二人の専門家に解決策を伺いました。小学校低学年の子どもにぴったりの食育の方法もご紹介します。ぜひご家庭で実践してみてください。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 小食や偏食から脱する「やる気スイッチ」の探し方
(2) 栄養偏らず食育も!共働き家庭の外食・中食活用ワザ ←今回はココ
(3) 子の「友達力」の基本は親子の絆 家庭を安全基地に
(4) 人間関係に強くなる 子どもの「回復力」の育て方

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

忙しい平日は、外食やおそうざいを賢く使おう

 共働きのDUAL家庭にとって、特に平日は息をつく間もないくらい怒涛の日々。パパやママは、頭を悩ませながら、おいしく楽しく時間をかけずに食事を作るためにいろいろな工夫をしていることと思いますが、時には、外食・中食を取り入れざるを得ない日もあるでしょう。

 「外食」とは、家以外で食事をすること。そして「中食」とは、料理品小売店の店頭で弁当や総菜などを買ってきて家で食べること。「審食美眼塾」を主宰する食育スペシャリストのとけいじ千絵さんによると、「外食は1980年代、中食は1990年代後半になり、女性の社会進出に伴って急増するようになりました」とのこと。

 「自分自身が子どもの頃に、日常的に外食・中食をした思い出を持たないママたちは、自分の子どもに手料理を食べさせていないことに対する罪悪感を抱いてしまうかもしれません。しかし視点を変えると、外食は、食べ慣れたお母さんの味以外の味を試す・知ることができる貴重なチャンス。料理を作る時間や後片付けの手間が省ける分、子どもときちんと向き合って食事をする時間をつくることができるなど、プラスの面もあるはずです」(とけいじさん)

 ただし、外食や中食は、不特定多数の人が好きなメニューがほとんどです。そのため、お肉中心で、お野菜が少なくなりがち。揚げ物やいため物などの油脂を大量に用いた調理法が使われることが多く、味付けは濃いめに作られています。その結果、カロリー過多、塩分過多となってしまうことに。「外食・中食は年齢の低い子どもにとってかなり濃いものだということを認識し、次の2点を意識して、塩分やカロリーを下げる工夫をしましょう」(とけいじさん)

1. おそうざいはあえ衣を加えてから食卓へ

 塩味が強いおそうざいは、そのまま食卓に出すのでなく、ひと手間かけてあえ衣を加えましょう。おすすめは、大根下ろし、山芋すり下ろし、ヨーグルト、お豆腐など。買ってきた中華風の野菜いためには大根下ろし、ポテトサラダにはヨーグルト、ホウレン草のごまあえには山芋のすり下ろしを足してみてください。食材を1品足すことで栄養価も上がりますし、かさ増しにもなります。これなら、使う調理器具は下ろし金だけなので楽ちん。もちろん、たれやスープを捨てたり、薄めたりするだけでもOKです。

2. 外食するなら行きつけの店で、減塩を依頼

 外食の場合、おすすめはズバリ、行きつけの店を作ること。気心の知れた店であれば、お店の迷惑にならない程度に、「お塩や油を少なめでお願いします」と頼むことができます。

 また、外食や中食は、お店やメニューの選び方を工夫することでも、子どもの体や健康状態を守ることができます。とけいじ千絵さんに、お店やメニュー選びの4つのポイントを教えていただきました。

<次のページからの内容>
●外食や中食 店やメニューを上手に選ぶ4つのポイント
●休日の新習慣として取り入れたい 低学年の子どもにぴったりの食育アイデア
●包丁の教え方、使わせる際の注意点
●ホットプレートが絶好の食育ツールになる理由とは? ほか