イライラしてささいなきっかけでキレる。暴言を吐き、友達や先生に暴力を振るう。小学校低学年の暴力行為が激増しています。なぜそんな状況が起きているのでしょうか。前回の記事に続き、今回は具体的なイライラ対処法や、学校で子どもが友達に手を上げた、あるいは上げられたときはどうすればいいのか、家庭で取り組めるトレーニングなどについて専門家に教えていただきました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)アトピーは二極化 スキンケアの落とし穴に注意
(2)油断できない「冬のあせも」と肌や頭皮の乾燥ケア
(3)急増する低学年の暴力 キレない子どもにするには
(4)お友達に手を上げた 手を上げられたらどうする ←今回はココ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「不快になることは子どもの仕事」と考えよう

 「わが子は『いつもニコニコ元気な子ども』でいてほしい。そう願っている親は多いのではないでしょうか」。小学校の学級崩壊に詳しい白梅学園大学子ども学部子ども学科教授の増田修治さんは言います。

 「『感情豊かな子に育てましょう』『心豊かに育てましょう』とよく言いますが、皆さんがイメージしているのはポジティブな感情ではないかと思います。でも大人と同じで、子どもにもネガティブな感情があって当然なのです」。増田さんはそう指摘します。

 「夜に暗いところを1人で歩いていたら、不安になります。かつて人間も野生動物に襲われる危険があったからです。不安や怒り、憎しみ、悲しみといったネガティブな感情は、自分の命を守り、生き残るために組み込まれている必要な感情です。親の目標は『ネガティブな感情を抱かない子』を育てることではありません。ネガティブな感情をうまく抱えられる子にするのが教育です。子どもがネガティブな感情を抱いたことをまず受け止める。それが最初の一歩となります

 では、具体的な「イライラ」対処法を見ていきましょう。

<次のページからの内容>
・「イライラ」が起きたときの対処法
・「クールダウンスペース」とはどんなもの?
・感情のコントロールを教える方法
・学校で子どもが友達に手を上げられたら?
・語彙力を増やすために家庭でできること