小食や偏食の子どもがいるご家庭のママ・パパは、「たくさんモリモリ食べて大きくなってほしい。なのにうちの子はあまり食べない」と悩んでいます。この記事では、主に低学年の子どもを育てているママ・パパが抱えている悩みを専門家が解決。「子どもが楽しく食べられるようになるための工夫」をアドバイスします。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 小食や偏食から脱する「やる気スイッチ」の探し方 ←今回はココ
(2) 栄養偏らず食育も!共働き家庭の外食・中食活用ワザ
(3) 子の「友達力」の基本は親子の絆 家庭を安全基地に
(4) 人間関係に強くなる 子どもの「回復力」の育て方

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

小食の子どもには、「ピッカピカ体験」が有効!

 小食の子を持つパパやママからよく聞くのは、「食べ終わるまでの時間が長く、途中で遊び始めたり、食卓に着いた途端にボーっとしたりしてしまう。集中して食べてほしいんだけど」という悩み。

 子育て学協会の山本直美さんが主宰する教室の場合、1回の食事では多くて食べきれない子や、少しだけ食べて終わってしまう子には、お母さんに1食分の量をお弁当箱2つに分けて持ってきてもらうとのこと。これは『ピッカピカ体験』をさせるため。

 「『お皿をピカピカにした!』『全部食べきれた!』という『ピッカピカ体験』が、子どもにとってとても重要。見た目の量を減らし、『食事での成功体験』を積み上げていきましょう」

 少ない量だと、食事にかける時間も短くなるため、集中も続きやすい。山本さんは、子どもに成功体験を積ませるため、最初に皿に盛る量について「『え? これだけ?』とびっくりするくらいの量にしてみては」と提案します。

 「例えば、空揚げなら半分。たとえ半分でも、子どもにとってはそれが1個ですから。それを数回繰り返すという方法がおススメです。『もう一個食べたい』という声が聞こえたら、『すごいね! お代わりだね』と声をかける。『できた! 3回もお代わりしたよ!』と喜ぶのが、子どもですから」

 このやり方は、親にとってもメリットがあります。量を少なくして食べきる経験を積むことで、子どもが一度の食事で食べられる量を把握することができるからです。まずは、15分間で集中して一度に食べる量を把握し、そこからお代わりを繰り返して食べる量を増やしていきましょう。低学年の子どもであれば、お代わりができたことを得意になって喜ぶはずです。

<次のページからの内容>
● 「食べられない子」の思い込みを解いて「食べられる子」に
● 「僕は食べられる子だった」という意識づけをする上手な声かけ
● 好き嫌いは、食卓の演出で克服できる!
● 食のプロが提案する5つの好き嫌い克服テク