「好奇心旺盛な子」になってほしいけど、わが子はそうでもないかも…。そんなふうに悩む親は少なくないかもしれません。深い思考のためにも必要な「好奇心」を育むために、親がしかけたい声かけや工夫などについて、CURIO SCHOOL代表取締役の西山恵太さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 子を好奇心旺盛に まず親が「問いと仮説」を持とう ←今回はココ
(2) 低学年の「背景やつながり考える俯瞰力」絵本で育む
(3) 灘・京大出身落語家が語る低学年からの古典のすすめ
(4) タブレット教材 自動丸付けや予定調整で子が自走できる

うちの子、好奇心旺盛じゃないのだけど……

 「『うちの子は興味を持つものやテーマがないんですが……』といった相談を受けることはあります。周囲に、例えば鉄道など何か1つのものにはまっているような『すごい子』がいると、親は焦ってしまうようです」と、CURIO SCHOOL代表取締役の西山恵太さん。西山さんはデザイン思考をベースとした小学生向けの教室を運営するほか、私立の中高一貫校などでも教育プログラムを提供しています(デザイン思考については近日公開の高学年向け記事で紹介)。

 「小さいときに必ずしも何かにどっぷりはまらなくてもいいと思います。子どもによって何か夢中になれるものに『出合う』タイミングは異なります。どこかのタイミングで出合うと思いますので焦る必要はありません」

 ただ、何かに出合うタイミングはそれぞれ異なるとしても、「好奇心」がないと、せっかく出合ったときに、その何かを逃してしまうかもしれません。好奇心があまりないタイプだと、親も少し心配になってしまいます。「焦る必要はないですが、深い思考のためにも好奇心は大事だと思います。自ら物事を深く考えるという段階にまで至るには、まず好奇心を育むというプロセスが大切です

 では、好奇心を育むために、親が家庭でできることはあるのでしょうか。「生まれ持っての気質でとても好奇心旺盛な子はいますが、私の感覚では、それ以外の子に関しては、むしろ、環境による後天的な部分が大きいと考えています。つまり、親など周囲の大人が、子どもの好奇心を守れるか、に左右されるかと思います」

 どういう意味でしょうか。「もともと子どもは『なんで?』『どうして?』という好奇心を持っているはずです。小さなことに疑問を持ち、『なんでなんで攻撃』をしてくる年齢が未就学の頃くらいにあったかと思います。ただ、親は忙しいので、その相手を全部できませんよね。『もうそれはいいから早く食べて』などといったやり取りを繰り返していくうちに、好奇心がだんだん失われていくのかなと思います。

 好奇心の強い子の親御さんとお話しをすると、親御さん自身が、子どものそうした好奇心を上手に守り、自分自身も楽しみながら子どもの問いに付き合ってきているケースが多いと感じています」

 好奇心を育むためには、「土壌」をつくっておくことが大事だと西山さんは指摘します。高学年と比べると、マインドが固まり切っていない低学年のうちは、土壌を育てるチャンスだという西山さんに、好奇心を育む「土壌」をつくるために親が心がけたい声かけや工夫などのポイントを詳しく聞いていきます。

好奇心の芽を育む「土壌」をつくるために親が知っておきたいこと

・好奇心を育む土壌とは?
・日常的に家庭で取り組める工夫は?
・土壌づくりを阻む、親子間の「空気」を切り替える方法は?
・好奇心の芽を育む「土壌」づくり、どれくらい続ければいい?