小学校低学年の子どもの肌は、乳幼児期と比べると少しずつ強くなってきます。とはいえ、まだまだ大人と同じではありません。子どもにすべてを任せていると思わぬ“落とし穴”があることも。前回に引き続き、今回は皮膚科の医師に、入浴方法やスキンケアなど具体的な生活習慣について、お話を伺いました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)アトピーは二極化 スキンケアの落とし穴に注意
(2)油断できない「冬の汗疹」と肌や頭皮の乾燥ケア ←今回はココ
(3)急増する低学年の暴力 キレない子どもにするには
(4)お友達に手を上げた 手を上げられたらどうする

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「お母さんが自分の唇にリップクリームを塗りたい」が指標

 「冬は乾燥による子どもの肌トラブルが増えます。小学校低学年ごろの肌は、大人と比べると、まだ皮膚のバリア機能が低い。すねが粉を吹いたみたいに全体的に白っぽくなったり、ウロコみたいに肌がパキパキ割れてきたり、ほっぺたがリンゴみたいに真っ赤になって表面がザラザラしたりします」。そう話すのは、わかばひふ科クリニックの野崎誠院長です。

 天気予報を見て、湿度が50%を切っていたら“乾燥肌注意報”です。「室外も乾いていますが、意外と室内が乾いています。暖房がエアコンオンリーというお宅は多いと思いますが、その場合は特に空気が乾燥しやすいので、加湿器を設置するなどの対策をおすすめします」と野崎さんはアドバイスします。

 乾燥肌を予防するために、保湿剤による保湿は必須。「保湿はしてあげたほうが絶対にいいです。どういうときに子どもに保湿剤を塗ってあげるべきか、一番分かりやすい指標はお母さんの唇の乾き。お母さんが自分で『自分の唇にリップクリーム塗りたい』と感じるときは子どもの肌も乾燥しています

 保湿剤にも色々種類がありますが、どのように選べばよいのでしょうか。「どんな成分を使っているかより、剤形を気にしてください。剤形というのは、保湿剤の形状です。保湿力が高いほうから並べると、軟膏、クリーム、ローション、化粧水、の順番になります。乾きやすい冬はべったりとした軟膏がいいですが、べたつくのがいや、という子どももいます。その場合は塗らないよりはクリームやローションを塗ったほうがいいです。リップクリームを塗るついでに、リップクリームを頬に伸ばしてもいいですよ」

<次のページからの内容>
・湯温は? せっけんは? お風呂で気を付けたい点
・入浴後は裸で15分間過ごす?
・「冬の汗疹」を予防するためのポイント
・機能性温熱肌着にも要注意
・フケ? シラミ? 頭皮のケア方法