冬は屋外での活動が減ってしまいがちですが、この時期だからこそできる自然体験をすることで、理科への関心が高まることが期待できます。京都大学大学院人間・環境学研究科の西川完途准教授にポイントを聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
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(2) 性犯罪対策 嫌だな・おかしいなと思ったら断る練習
(3) 理科への関心を高める冬の自然体験 役立つアプリも←今回はココ

体は花粉に異なる反応をしているのに木の識別はできていない

 新学習指導要領でも「生きる力」が重視されていますが、文部科学省は以前から「子どもの『生きる力』を育むうえで、自然体験をはじめ文化・芸術や科学に直接触れる体験的な活動が重要」と打ち出し、自然体験活動を推奨しています。

 ただ都市部で生活していると、自然に触れる機会は圧倒的に少なくなります。特に気を付けたいのは親世代の自然体験が少ないケース。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授の西川完途先生は、生物研究のおもしろさを子どもたちにも伝えようと、小学校で出張授業を行ったり、フィールドワークの心掛けを指導するエコツアーを開催したりしていますが、やはり都会の子どもたちは自然体験が少ないことを実感しているそう。

 「スギやヒノキの花粉に体は異なる反応をしているのに、どれがスギでどれがヒノキなのか、目で見て識別ができない子は多いですし、親も教えられない、ということは多々あるのではないでしょうか。例えば有毒のニホンマムシと、都会の人家にも現れる無毒のアオダイショウ(特に幼蛇)の違いが分からないとなると、親子で危険にさらされたり、逆に思いもよらぬ騒ぎが起きたりもします」と西川先生は言います。

 また、図鑑やインターネットなどで勉強しているだけでは、なかなか身に付かないとも。「冬は特に、屋外での活動が減ってしまいますよね。でも、身近な公園でも自然体験は十分できるんですよ」

「身近な公園でも自然体験は可能」と西川完途先生(写真はフユイチゴを探す西川先生のお子さん)
「身近な公園でも自然体験は可能」と西川完途先生(写真はフユイチゴを探す西川先生のお子さん)