中学受験のニュースや周りの話を聞くと、「中学受験をする場合、いつから、どんな塾に通わせればいいのか」と頭を悩ませるご家庭も多いのではないでしょうか。

 では実際にはいつから通わせたらいいのでしょうか。入塾の準備はどのようにしたらいいのでしょうか。

 大手受験塾に通う生徒を中心に、フォローアップから応用・発展まで、集団塾では補いきれないものを指導する中学受験のプロ家庭教師 西村則康先生と、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生に伺いました。

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子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

早期入塾がマイナス面を引き起こすこともある

 つい最近、小学2年生のお子さんのいるママ友に、「3年生になったら塾に通わせたいと思っている」と聞きました。他にも、人気のある塾は入塾するだけでも大変だから、なるべく早く通わせたいと考えているという話はとてもよく聞きます。また、近隣の公文式教室では「中学受験の入塾テストに有利だから」という理由で、未就学児のうちから通わせているご家庭が多く見受けられます。こうした話を聞くと、「やはり低学年のうちから中学受験の塾に通わせたほうがいいのでは…」と考えてしまいますが、実際はどうなのでしょうか。

 中学受験のプロ家庭教師 西村則康先生のもとにも、低学年の子どもをもつ親御さんから「低学年からの塾通い」や、「中学受験のために勉強の先取りをさせたほうがよいのか」という質問がよく寄せられるそうです。でもこれは、塾によってそれぞれ特徴が違いますし、子どもの持つ能力や性格によっても変わってくるので、一概にこうだとは答えられない問題です。

 「例えばSAPIXには小1からのクラスがありますが、いわゆる小学校お受験の延長のような、かなり難しい勉強をさせます。しかし、小4からの中学受験勉強にそれが役立つかというと、必ずしもそうではありません。役に立つ子がいる半面、役に立たないどころかマイナスの事態を引き起こすこともありますので、注意が必要です」と西村先生は言います。

 それこそ前回ご紹介したような、「基礎訓練」がしっかりできている子どもが通えば「地アタマ」を鍛えることにはなるものの、「そうでない場合は直感的なことを要求することが多いので、あまりお勧めはできない」(西村先生)というわけです。

<次のページからの内容>
● 学童保育のように塾を利用していて意味はある?
● 塾に入るにはいつから準備すればいい?
● どんなテキストをやっておけばいい?
● 「中学受験をするのなら、大手受験塾」の理由
● 大手塾に通えばいいというわけではない
● 同じ塾でも教室により差がある?