警察庁の統計によれば、小学生以下の低年齢層の子どもが性被害に遭うケースもあります。加害者は見知らぬ大人であるとは限らず、知人や未成年者であることも……。低学年の子どもには、どのように注意を促せばいいのでしょうか。公認心理師の戸田さやかさんに聞きました。

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加害者は必ずしも「明らかに怪しい大人」とは限らない

 小学校低学年の児童が性被害に遭うケースがニュースなどで取り上げられ、自治体からの防犯情報に特化したメールなどで、不審者情報がたびたび届き、心配になることは、多々あるのではないでしょうか。

 警察庁の2018(平成30年)の「【児童ポルノ事件】 被害児童の学職別・被害態様別の割合」では、被害児童数は1276人でこのうち高校生が42%、中学生が34%と多いのですが、小学生は19%、未就学児は3%と小学生以下も少なくありません。被害態様は大きく「盗撮」「強制性交等・強制わいせつ等」「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」に分けられ、小学生以下は、中学生以上に比べて「盗撮」「強制性交等・強制わいせつ等」が多いのが特徴です。

 こうした性被害の加害者は必ずしも「明らかに怪しい大人」とは限りません。きちんとした身なりの大人、あるいは身近な年上の未成年が、加害者であることもあるのです。

 では低学年の子どもには、どのように注意を喚起すればよいのでしょうか。

 「子どもの成長は個人差が大きく、時期によっても成長の程度が異なるので、学年だけでなく、その子の言語理解度などに合わせて話すことが大切です」と公認心理師の戸田さやかさんは言います。

 「そのうえで実際そのような場面に遭遇したときに、対処できるかどうかがポイントです」

 もし、親の許可なく友達のお父さんやお母さんなど顔見知りの大人や、身近な年上の未成年に「一緒においで」と声をかけられたらどう答えればいいのか。もしも、学校の先生が性犯罪の加害者になったら、子どもにどう伝えればいいのか。「子どもが危ないと認識しにくい人」について気を付けるべきことを、戸田さんに聞きました。

親と一緒にいないときに、顔見知りの大人や年上の子どもに声をかけられたらどう答えればいいのか(写真はイメージ)
親と一緒にいないときに、顔見知りの大人や年上の子どもに声をかけられたらどう答えればいいのか(写真はイメージ)