「小学生で脱毛する人が増えている」。そんな話を聞いたことはないでしょうか。2017年後半、ネットの記事やテレビ、ラジオなどメディアで取り上げられたこともあり、小学校低学年から「キッズ脱毛」に通う子どもがいることに、賛否両論の声が数多く上がりました。

 一方、「子どもが毛深いことを気に病んでいるから」「子どもが剃刀でそっていてケガをしたため、それよりはプロの脱毛がいいと思ったから」「自分が脱毛していて満足しているから」など、キッズ脱毛に踏み出す保護者の意見は様々です。

 そもそもキッズ脱毛とは何か。小学校低学年に「美容」の観点は必要なのか。サロンで受けられる施術と実際にどんな条件で施術を行っているのか、行うべきなのか、話を聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 賛否両論のキッズ脱毛 増加は本当? 安全性は? ←今回はココ
(2) 毛のう炎など感染症も キッズ脱毛以前にすべきこと
(3) 低学年塾選びの前にすべきこと 先取り学習の注意点
(4) 3年生から始まる塾の選び方、見学のポイント

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「キッズ脱毛」をする子どもが増えている?

 子どものころ、記者は腕も足も大変毛深く、ほくろも多かったため、半袖を着ることを極端に避けていました。特に小学校低学年から中学年にかけて、6月以降も体育の時間以外、学校ではほとんどカーディガンを着ていました。きっかけは、同級生に「なんで、そんなにほくろとか、毛とかが多いの?」と聞かれたこと。同級生は単に、自分(や周りの子)と違う様子に疑問を持っただけなのかもしれませんが、気になった筆者は半袖になることを恥ずかしく思うようになり、中学生にもなると脱毛について雑誌を読み漁った記憶があります。

 そんな大昔の話を思い出したのは、2017年に「キッズ脱毛」をする子どもが増えているというネットの記事を読んだから。その後も「3歳から通えるサロン」があるとか、「低学年ですでにサロンに通っている」といった情報がテレビやラジオでも取り上げられ続けています。

 もちろん、キッズ脱毛については賛否両論があります。成長期にある子どもがエステに通うなんて…と眉をひそめるのも理解できます。しかしもし、毛深いことがきっかけで嫌な思いをしたり、悩んだりしたら? もしかしたら、選択肢として知っておく必要があるのでは?

 そこで今、どんな子どもがサロンに通っているのか、あるいはサロンに通うことを希望しているのか。また、実際に「キッズ脱毛」を考える場合、何を基準にサロンを選べばいいのか。そもそもサロンはどのような考えのもと、子どもたちに脱毛を施しているのか。サロンに話を聞きました。

子どもの希望者、増えたのは約10年前

 キッズ脱毛を希望する子どもは、いつごろから増えてきたのでしょうか。

 恵比寿のプレミアムメンズサロン ウオモ(UOMO)の横井千尋さんは、「約10年前から毛深い悩みを持つお子さんが、エステサロンを訪れるようになりました」と振り返ります。横井さんは現在のサロンの前は、脱毛機器メーカーに勤め、機器の講習のために様々なサロンを訪れていたそうです。こうしたサロンで「両親もしくは親御さんのどちらかが毛深いことで悩んでいらっしゃると、子どもをそうした視点で見てしまうため、早くサロンを訪れる傾向がある」(横井さん)ということに気付かされたそうです。特に、思春期を迎える前、小学校中学年の女子が多かったと言います。

プレミアムメンズサロン ウオモ(UOMO/東京都渋谷区東3-20-1 Ark Place EBISU 1F)
プレミアムメンズサロン ウオモ(UOMO/東京都渋谷区東3-20-1 Ark Place EBISU 1F)
<次のページからの内容>
● 新規顧客の5.0%がキッズ脱毛希望者
● 何がきっかけで毛深さを気にする?
● 脱毛、子どもが受けても本当に大丈夫?
● もしかして親が先走っているだけ?
● サロン選びのポイント
● 受けて表情が変わる子どもも