子どもが急に学校に行くのを嫌がるようになった場合、もしかしたら友達との関係が変化し、子どもの心に影を落としているのかもしれません。友達が発した何気ないひと言がつらく感じられたり、遊びの中でのささいな意地悪にひどく傷つけられたり……。子どもの異変を感じたら、親はどうすればいいのでしょうか。臨床心理士の掛井一徳さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
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相手の気持ちや立場を想像する力の発達には個人差がある

 子ども同士のトラブルはさまざまです。

 先日、記者の息子(小学1年生)は学校の休み時間に鬼ごっこで鬼になり、追い付いても「たんま!」と言われ、鬼を交代してもらえなかったことをひどく気にして、その友達とはもう遊ばないと涙目で訴えてきました。

 子ども同士のささいなこと(意地悪と感じられるような態度や言葉、あるいは行き違い)かもしれませんが、これがエスカレートして「仲間外れ」や「いじめ」につながったら? と心配になる出来事でした。

 また1カ月ほど前、同じ下校グループの子どもに「一人で帰れ」と言われた子と、その子に親がしたアドバイス、そしてそのアドバイスをもらって子どもが取った対応について投稿したツイートが話題になりました。

 低学年の子どもの場合、こうした行為は「ウケるから」など、大した理由もなくしていることが多い、と臨床心理士の掛井一徳さんは言います。

 「発達には個人差がありますが、低学年だと『先に一人で帰りなよ』と言う子どもは、自分の行動や発言に対して相手がどう思うかという、相手の気持ちや立場を想像したり、考えたりする力が未発達である可能性も高く、そのことがどういう結果を生むか、分かっていないことが多いです」

 そう言われてしまった子が「なんで?なんで?」とすぐに返せるタイプならいいのですが、考え込んでしまう子の場合、つらくなるのだと掛井さん。

 「自分が相手に何か悪いことをしたのかな……などと考え込むのは、実は相手の気持ちを想像したり、自分のことについて内省できる力がすでに備わっている、ある意味で発達の早い子です。その場合、『なんで』と言い返してさらに傷つけられることも怖いんですね」

 こうした「考える」タイプの子どもに、親はどのように向き合えばいいでしょうか。