書店などに行くと、さまざまな種類の幼児向けドリルやワークが売られています。自分から遊び感覚で楽しく取り組む子もいますが、中には間違いを伝えられるのは嫌という子も。未就学児のドリル学習では、やる気と正確さ、どちらを優先させればよく、ミスを伝えたら怒る子どもに、どう対処したらいいのでしょう。子育て心理学協会代表理事の東ちひろさんに話を聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子の「自分が先」へのこだわり、負けると怒る、どう対応
(2) 幼児のドリル学習 ミス伝えると怒る子対策5つのコツ ←今回はココ
(3) 空想する習慣が子の生きる力に 想像力の鍛え方
(4) 子どもの空想力を育む話の聞き方、絵本の読み聞かせ方

間違いを伝えられ反発するのは気質

 「就学前に遊びを通じて学びの世界に足を踏み入れて、就学への期待を広げるのはよいことです。子どもが好きでやりたがるなら、ひらがなや計算などのドリルやワークを行うのもよいですね。間違いを伝えられ素直に受け入れられる場合は問題ないですが、子どもが反発する場合、親が『これ以上口出しして子どものやる気を損ないたくない、けれどひらがななどを間違って覚えてほしくない』と悩んでしまう気持ちはよく分かります」

 元幼稚園講師・小学校教諭で、現在心理学とコーチングを使ったアプローチで多くの子育て相談に応じている東ちひろさんは、未就学児の学習に対しこのように話します。

 間違いを指摘されると不機嫌になったり怒ったりする子は、イライラしやすい気質を持っている可能性が高いと東さん。

 「こうした場合は『ちゃんと親の言うことを聞きなさい』などと叱ることで子の反応を変えようとしても効果はありません。その子の気質を受け入れた上で、対応のコツを心得て工夫していくことが、正確さもやる気も大事にすることにつながります

 次のページから、ドリル・ワークに取り組む子へのミスの伝え方や正し方、鉛筆の持ち方などについて、東さんに解説してもらいます。