小学校入学に伴い、共働き世帯が直面するといわれる「小1の壁」。低学年の子を持つ日経DUAL読者にアンケートを取ったところ、コロナ下に在宅勤務が増えたと回答した読者が多く、放課後の過ごし方にも変化が見られました(ご協力ありがとうございました!)。年長の子がいる家庭は、そろそろ学童の申し込み時期でしょう。仕事上の制約や家庭の状況、子どもの個性などはさまざまなため、放課後の過ごし方に「正解」はありませんが、ウィズコロナ時代の低学年親のリアルな声やアドバイスが、先の見通しに役立つかもしれません。

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 「小1の壁」とされる課題は複数ありますが、その中でも大きいのが、「公的な学童は保育園より預かり時間が短くなる」です。読者アンケート(2020年10月13日~29日、日経DUALのメルマガ会員のうち113人が回答、内訳は女性107人、男性6人)でも、自分が体験した小1の壁として挙げた声はたくさんありました。

 学童の預かり時間が保育園より1時間短くなった(女性・48歳、子ども小3、生産・製造)

 学童が19時きっちりに閉まるため、残業したらぎりぎり(女性・37歳、子ども小2、編集・編成・制作)

 保育園よりも預かり時間の短い学童のお迎えのために、仕事との両立が一時的に厳しくなった(女性・43歳、子ども小3、総務・人事)

 読者アンケートの結果を見ると、コロナ下の働き方の変化で、こうした小1の壁についても変化が見られます。「学童に入らない子が増えると思う(女性・36歳、子ども小2、一般事務)」「在宅勤務、時差勤務、フレックス勤務が広がれば『壁』は低くなるのではないか(女性・40歳、子ども年少と小1、営業・販売)」などの意見が寄せられました。

 実際に、「在宅勤務へ移行したため学童の利用は最低限で、想定していた小1の壁が全くない状況(女性・37歳、子ども小1、企画・調査・マーケティング)」という声もありました。一方で、在宅勤務ができない仕事は多くあり、医療関係の専門職ママからは「より忙しくなり、民間学童の利用日数が増えた(女性・47歳、子ども小1、専門職・医療関連)」の声が聞かれました。

 放課後の過ごし方で選択肢が増えた家庭にとっては、親が自分で決めなくてはいけない場面が増え、それに伴って新たな悩みも発生しているようです。前後編でお伝えする本記事の前編では、読者アンケートから見えてきた、ウィズコロナ時代の放課後の過ごし方の選択肢、低学年親が感じているそれぞれのメリットや課題、体験から導き出した、小1の壁に関する4つのアドバイスを紹介します。

読者アンケート結果に基づき、日経DUALで作成したチャート図(以下同)
読者アンケート結果に基づき、日経DUALで作成したチャート図(以下同)
回答者の概要

■子どもの年齢(複数回答)
0歳/0.0%、1歳/0.9%、2歳/5.3%、年少/10.6%、年中/9.7%、年長/14.2%、小1/31.0%、小2/36.3%、小3/32.7%、小4/8.8%、小5/10.6%、小6/3.5%、中1以上/8.0%、その他/0.9%

■子どもの人数
1人/37.2%、2人/49.6%、3人/11.5%、4人以上/1.8%

■2020年10月時点の放課後の子どもの過ごし方
・公的な学童保育(「公設公営」「公設民営」「民設民営」の放課後児童クラブ)だけを利用している/46.0%
・民間学童(民間企業などが提供する商業的なサービス)だけを利用している/13.3%
・公的な学童保育と民間学童を併用している/8.8%
・親の就労を問わず誰でも申し込める、学校の「放課後子供教室」だけを利用している/2.7%
・学童(民間学童含む)に加えて、「放課後子供教室」も利用している/2.7%
・学童(民間学童含む)に加えて、祖父母やベビーシッター、ファミリーサポートなど誰かに預けている/2.7%
・学童(民間学童含む)は利用せず、祖父母やベビーシッター、ファミリーサポートなど誰かに預けている/0.9%
・その他/23.0%