「遊び食べ」「食べムラ」「偏食」など……。時間のない朝などに、子どもの食が進まないと困ってしまいます。しかし、家ではそうした食べ方を繰り返すわが子も、保育園ではパクパク食べているなどと聞いたことがありませんか? その理由は、友だちにつられて食べているだけではないようです。今回は、東京都府中市のわらしこ保育園の食育を参考に、子どもの「遊び食べ」「食べムラ」「偏食」の対処法について聞いてきました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 狭いリビングでも可能な、キッズグッズ収納のコツ
(2) 脱・収納ハラスメントで子どもの片づけ欲を刺激する
(3) 園の調理チーム直伝!遊び食べ・食べムラ・偏食解消 ←今回はココ
(4) なぜ? 1歳でも魚の骨を自分で取って食べられるわけ

味付けを子ども向けにしなくても、完食する3つの理由

 子どもが好きな食べ物の王道といえば、ハンバーグや唐揚げなど。 ピーマンやナス、セロリなどの、いわゆる子どもが苦手とする野菜を食べさせようとすると、なかなか食べてくれず結局残されてしまうこともあるでしょう。

 しかし、東京都府中市にある認可保育園「わらしこ保育園」では、こうした野菜を園児がもりもり食べ、ほとんど食べ残すことがないといいます。同園の調理師である大塚遼さんは言います。

 「ピーマンは下茹でにして苦味を抜く下処理をして、ナスは油で炒めてから味噌汁に入れるなどの工夫はしています。セロリもスープに入れたりサラダで提供したりしていますが、基本的には素材の味を活かしています。そのため普段の料理は、和風ベースに出汁をきかせた薄味ですが、子どもたちはパクパク食べてほとんど残しません」(大塚さん)

新しょうがのご飯、イワシの丸干し、切り干し大根の煮物、キャベツの梅酢和え、じゃがいもと人参の味噌汁
新しょうがのご飯、イワシの丸干し、切り干し大根の煮物、キャベツの梅酢和え、じゃがいもと人参の味噌汁

 上画像は、わらしこ保育園で提供されているある日の昼食です。ご飯、味噌汁、魚以外にも、和え物と煮物がついて品数が豊富。しかし、どちらかというと、子ども向けというよりは、大人向けのヘルシーな食事といった印象なのに、どうして子どもたちは、好き嫌いをせずに完食するのでしょうか?

 次のページからは、わらしこ保育園で実践されている3つの工夫をもとに、子どもの「遊び食べ」「食べムラ」「偏食」を解消する方法を紹介します。

1「遊び食べ」の解消には、園児に●●させる。2「食べムラ」の解消には、●●にして適量を知る。3「偏食」の解消には、子どもの●●を増やす。