保育園生活といえば、その大半を「遊び」が占めています。しかし小学校入学を機に、それはがらりと「勉強」へと切り替わります。子どもにとって、そのギャップは想像以上! 「脱ゆとり教育」の推進によって、次々と難しいカリキュラムが低年齢化している中、家庭での事前学習は、「いつ」「どのように」して取り組んでいくべきなのでしょうか?

 『きれいに書ける ひらがな (おうちレッスン)』の著者でもあり、これまで7000人の乳幼児から小学校の教育に関わり、幼稚園・保育園での漢字やひらがな、カタカナ教育を普及させている立石美津子さんに、小学校に入ってもわが子が困らない「ひらがなの教え方」について詳しくお聞きしました。

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 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

ひらがなの読み書きは「できて当たり前」が小学校での暗黙の了解

立石美津子さん
立石美津子さん

 最近の小学校では「脱ゆとり教育」の影響で、これまでは小学2年生や3年生で習っていたカリキュラムを、1年生のうちから学ぶことが増えてきています。 立石美津子さんは「子どもによっては、既に入学式の日から園生活とのギャップを感じている子もいると思います」と話します。

 「入学式には、下駄箱にひらがなで児童の名前が書かれたシールが貼られ、黒板にも大きく『入学おめでとう』と書かれています。文字が読めることが前提とされているんですね。ある調査によると、今は未就学児の9割が、読み書きをある程度できる状態で入学していることが分かっています。翌日の持ち物などの連絡も、最初のうちこそ連絡帳にプリントなどを貼る形式を取られますが、その後は、先生が板書したものを子どもが自分たちで連絡帳に書き写すように指導されます」

 文字が読めないまま小学校入学を迎えることには、少なからずリスクがあるようです。学習面ではどうでしょうか?

 「現在の小学校の学習指導要領では、ひらがなの読み書きをすべて完了するまでの期間は、入学後の1カ月間。当然、その後の授業は、 “読み書きができる前提”で進んでいきます。このスピードについていけない子どもたちにとっては、“みんなができていることができない”という劣等感から、自己肯定感を低下させることにもつながりかねません」

 ギャップは「みんなができている」から生じるもの。では「どの程度までできていれば大丈夫なのか?」というのは気になるところです。

幼稚園の卒園児のほうが、保育園卒園児より読み書きができるとは限らない

 「私の見る限り、幼稚園の子どもたちのほうが、保育園の子どもたちに比べて“読み書き”ができる状態で小学校に入学できているかというと、そんなことはないと思います。幼稚園は義務教育機関ではありませんので、行く・行かないは基本的に自由ですよね。幼稚園教育要領には、『幼児が日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わい、文字に対する興味や関心をもつようにすること』と曖昧な表現がされていて、実際にはドリルで猛特訓している幼稚園もあれば、本当に“触り程度”という幼稚園もあってバラバラです」

 「逆に保育園に子どもを通わせる親は、平日にあまり子どもを習い事に通わせたりできず、また、家で教えるしっかり教える時間を取ることが難しい状況です。このため、保育園の保育の中で、熱心にひらがなを指導する園も少しずつ増えてきています」

 ただ、親としては、子どもを何とかスムーズに小学校へと橋渡ししてあげたいもの。未就学時から意識してやっておくべき、家庭でのサポートとはどのようなものでしょうか?

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● ひらがなを教える親が知っておきたい5つのポイント
● 立石さん直伝! 家庭でできるひらがなの教え方5選
● 今できないからといって、ずっとできないわけではない

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  • ひらがなを教える親が知っておきたい5つのポイント
  • 消さず、急かさず、飽きさせず
  • 今できないからといって、ずっとできないわけではない

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