国の教育研究機関として、最先端の教育方法が実践されている国立小学校。ハイレベルな授業が期待できる点に魅力を感じる人も多く、都内の国立小入試は毎年激戦となっています。入学を目指す場合、家庭ではどのような対策をするとよいのでしょうか。前回に続き、小学校受験に詳しい幼児教室「わかぎり21」の幼児部責任者、新中(しんちゅう)義一さんに話を聞きます。来年以降の受験を検討している人はぜひ参考にしてください。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 増え続ける子どもの写真 要点押さえ撮影&上手に管理
(2) 「共有」の喜び味わうアルバム 楽しく手軽に作るには
(3) おねしょ、嘔吐、泥、鼻血 突然の洗濯物どうする?
(4) 秋こそダニ対策を 室内環境、布団…どうする?
(5) コロナ下で国立小入試に変化 抽選や出願方法にも影響が
(6) 就学後に大切な見る力・聞く力 家庭で育てる方法 ←今回はココ

保育園での体験も受験準備になる。不足しているのは何か見極めを

 共働きで子どもを保育園に通わせていると学習時間が取りにくいですが、どのように国立小対策をしたらよいのでしょうか。新中さんは「保育園で過ごしている時間も受験につなげるようにするとよいでしょう」と提案します。「例えば、縦割り(異年齢)の活動が盛んな保育園では、小さい子と接するときに、皆が楽しく遊ぶにはどうしたらよいか考える体験から、問題解決の力が育まれます。年上の子と行動するときはチームの一員としてどう振る舞うかという体験が得られます。マラソンや体操に力を入れている園なら、しっかりした体幹が身につくでしょう。お絵描きや工作が盛んな園なら指先の巧緻性(こうちせい。器用さのこと)が高まります。園の保育方針によって得られる体験は異なるので、子どもの得意不得意も含め、『うちの子にはこの対策が足りない』という点を家庭や幼児教室で補うのがよいでしょう

 保育園は幼稚園に比べて自由なので、保育園児は落ち着きがないということがよく言われますが、新中さんは気にする必要はないと言います。「幼稚園でも完全自由保育の園があり、保育園か幼稚園かの違いは関係ありません。ただし、ある程度の人数の子どもでいるときに、椅子に座って先生の話を聞けたり、何かに注目したりすることは、日ごろの経験がないとできません。入試では話を聞く力、見る力がとても大切です。一方で、これらの力は家庭でも幼い頃から育てることができるので、日ごろから意識するとよいでしょう