子育ての大きな節目の1つである小学校の入学。新年度まで5カ月余りとなり、新1年生のいる家庭では着々と準備を進めつつ、親として、子どもの新生活に期待と不安の入り交じった気持ちを抱いているかもしれません。でも、それは子ども自身も同じ。子育て支援に取り組む専門家は、小学校生活をスムーズに始めるためには、入学前の親子の取り組みが重要だと指摘します。

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入学後の環境変化は子どもの負担に

 10月となり、新年度まであと半年を切りました。来春の小学校入学を控え、ランドセルや学習机の購入などをすでに済ませている家庭もあるかもしれません。兄や姉がおらず、初めて子どもを小学校に送り出す家庭では、不安を抱えている親もいるでしょう。

 「小1の壁」という言葉があるように、共働き親にとっては、子どもを保育園や幼稚園に通わせていたころと比べて、仕事と家事や育児の両立が難しくなるケースもあります。

新生活への期待が膨らむ子どもの小学校入学。一方で、大きな環境変化が子どもの心身に負担をもたらすことも
新生活への期待が膨らむ子どもの小学校入学。一方で、大きな環境変化が子どもの心身に負担をもたらすことも

 では、子ども自身はどうでしょうか。「小1プロブレム」といって、入学後に小学校での生活になかなかなじめず、落ち着かない状況が続く可能性も指摘されています。子育て支援などを行う認定NPO法人あっとほーむ代表の小栗ショウコさんは「子どもも小学校入学とともに大きな変化にさらされます。本人は保育園児や幼稚園児のころと何ら変わっていないのに、勉強も始まり、より自立した行動を求められるようになります」と説明します。

 こうした変化は、時に肉体的にも精神的にも子どもの大きな負担になりうると小栗さん。「子どもは入学と同時に急に成長するわけではなく、心や体は保育園や幼稚園に通っていたころのままです。入学後の新生活になかなかなじめない場合、心身が不調に陥り、学校に通えなくなるケースもあります」と小栗さんは注意を促します。

 小1の壁を乗り越え、親子ともに安定した生活を維持していくために、必要なのは、入学に向けての心身の準備。小学校に上がる準備は、学習机やランドセルを買いそろえるだけで終わりではないようです。

 では、親はわが子の進学を前に、子どもにどんなことをしてあげればよいのでしょうか。詳しく聞いていきましょう。

この記事で分かること
・入学前でも親ができる5つのポイントとは?
・大切なのは「急激な変化を和らげる」こと
・「小学生になったから」が理由で個室を与え、そこで過ごさせるのはNG