子どもが転んで、血が出た! そんなときどうしますか。ママ・パパが子どもだったころは、「消毒する」「傷を乾かす」「かさぶたを作る」が常識でしたが、最近は少し状況が変わっているようです。ドラッグストアに足を運ぶと、商品が様変わりしていて、戸惑う人もいるかもしれません。傷とやけどの対処法の最新情報について、わかばひふ科クリニック院長の野崎誠さんに教えてもらいました。じいじやばあばも含め、ぜひみんなで知識のアップデートをしておきたいものです。

(日経DUAL特選シリーズ/2018年10月23日収録記事を再掲載します)

「足をすりむいたらまず消毒」はもう古い?

 大人になると、ケガの対処方法の話題は少し縁遠くなりますが、子どもができると再び、身近な話題になります。子どもが歩き出したり、走り出したり、活発に動けるようになると、転んで足をすりむくなど、ケガをする場面が増えてきます。

 ドラッグストアに足を運ぶと、昔からよくある絆創膏とは異なる製品が並んでいて、驚いたという人もいるかもしれません。最近は、「創傷パッド」や「傷パッド」などと呼ばれる、ハイドロコロイド素材を使った家庭用の被覆材が目立ちます。

 「医療はどんどん変わります。ここ10〜15年ぐらいで、傷ややけどの処置に関しては、大きな変化がありました」と、わかばひふ科クリニック院長の野崎誠さんは言います。

 「以前は、擦り傷や切り傷ができたら、まず消毒するのが常識でした」と野崎さん。ところが今や、消毒薬を使うことはなくなったと野崎さんは言います。「消毒薬は皮膚の健康な細胞にダメージを与えるし、子どもも痛がるし、いいことはないと思います。まずは流水で洗うことが大事です」と説明します。

 そして野崎さんは、流水で洗う際、せっけんの使用を勧めます。「その場にもしあれば、せっけんを泡立てて、傷口を洗うのがおすすめです。薬用でなくても、いわゆる普通のせっけんで大丈夫です。痛そうに聞こえるかもしれませんが、消毒薬よりは痛くないです。ケガをするのは、大抵家の外にいるときが多いと思いますので、せっけんも水道もなければ、ペットボトルの水でもいいので、とにかく洗います。しっかり洗って、泥や土などの汚れを落とすことはとても大事です

乾かすより、湿らせたほうが治りが早いって本当?

 「従来の方法では、消毒の後、軟膏を塗ってガーゼなどを当て、傷口を乾かし、かさぶたを作って治していました。この方法では、ガーゼを交換するたびに、乾いた傷にガーゼが張り付くので、剥がすときに痛みを感じます」

 「ここ10年ぐらいで、一般的になりつつあるのが、いわゆる『湿潤療法』と呼ばれる、乾かさないで治す方法です。乾かして治すより、早く治ります。治りが遅いと傷痕が盛り上がったようになる瘢痕(はんこん)が残りやすいですが、治りが早いと傷痕が残りにくいと考えられています

 「ただ、知識がないまま湿潤療法を取り入れると、トラブルが起きる可能性はあります」と野崎さん。次のページから詳しく教えてもらいます。

次ページから読める内容

  • 交換しどきの判断が大切
  • やけどは、とにかくまず流水で冷やす
  • やけどに冷却ジェルシートは使わない
  • 移行期なので病院によっても治療方針は異なる

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