秋といえば運動会シーズン。わが子の頑張る姿が楽しみな一方、「足が遅い」「ダンスのリズム感がない」などと心配な家庭もあるのではないでしょうか。そもそも子どもの運動神経は鍛えられるものなのでしょうか。東京学芸大学教職大学院教授の吉田伊津美さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
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幼児期の運動神経のよさは遺伝ではない

 運動会シーズンとなり、当日に向けて練習に励んでいる子も多いのではないでしょうか。親子で楽しみにする一方、「足が遅い」「どうもリズム感がない」「体格差があるから、どうしても不利になってしまう」と心配している家庭もあるかもしれません。

 こうしたときに、つい「ママ・パパも足が遅かったから仕方ないよ」「ママ・パパもあんまり運動が得意じゃなかったよ」といったなぐさめ方をしてしまいがちですが、東京学芸大学教職大学院教授で、体育心理学が専門の吉田伊津美さんは「未就学児の頃の運動神経のよさは、遺伝によるものではありません」と言います。

 「一部のトップアスリートになるような子どもはともかく、幼児期の運動神経の発達度は、遺伝よりも経験や環境によることのほうが大きいのです。もちろん潜在的な能力もありますが、それが顕在化するまでは経験や環境の影響が大きいと言えます」

 そうすると「運動が苦手なのは遺伝のせい」と、あきらめなくてもいいということになります。幼児期に子どもの運動神経を伸ばす方法について、詳しく聞いていきましょう。

「運動が苦手なのは遺伝のせい」と、あきらめる必要はない
「運動が苦手なのは遺伝のせい」と、あきらめる必要はない
詳しくチェック!
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