冬に向かうと、家の中で過ごす時間も増えてきます。幼い子どもたちにとって、家の中は危険がいっぱい。思わぬ事故が起きないように、注意したいものです。誤飲や誤えん、窒息、転落などをどのように防げばよいのでしょうか。「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表の阿真京子さんのアドバイスを紹介します。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 食べさせたらじんましんが出た 食物アレルギーかも
(2) 長引くせき もしかしてぜんそく? ぜんそく気味?
(3) 誤飲、窒息、溺水…家の中での思わぬ事故を防ぐには ←今回はココ
(4) こんなに昔と変わった!?ケガとやけどの対処方法

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

1~4歳の死因の第2位は「不慮の事故」

 阿真京子です。日本人の1歳から4歳までの子どもの死因の第2位は「不慮の事故」です(厚生労働省、人口動態統計より)。大きな事故があると、その当時はみな気を付けますが、あっという間に風化してしまいます。例えば、ちょっと親が目を離した隙に、綿あめの棒をくわえたままかけっこした拍子に転び、棒が喉の奥から脳まで突き刺さってしまった死亡事故をご存じでしょうか? 1999年に実際に起きた、とても悲しく痛ましい事故です。私たちは失われてしまった命や起きてしまった大きなけがを無駄にせず、教訓にすることで、予防法や対策を知って防げるものを防いでいくことが大切だと思います

 家の中でどんな事故が考えられるか、小児科医の鈴木徹郎さんからポイントを教えていただきます。

 「私も3人の子どもの父親ですが、2cm角のメロン片を与えてヒヤッとした経験をしました」という鈴木さん。窒息の原因になりやすい食べ物にはどんなものがあるのでしょうか。

【窒息の原因になりやすい食べ物例】
・マシュマロ
・ゼリー
・団子
・ミニトマト
・巨峰
・ピーナツ
・枝豆
・節分の豆
・アーモンドなど

 「豆やミニトマト、巨峰など丸くて表面がツルッとしたものは、リスクが高くなります。遊びながら、歩きながら、食べさせないようにし、与えるときは小さく切ります。食べ物を食べるということは、命と隣り合わせであるという認識は持っていたいものです。ピーナツ、枝豆、節分の豆、アーモンドは肺に入りやすいうえに、化学反応を起こし、肺炎になりやすく危険です。早い年齢から焦ってあげるものではありません」(鈴木さん)。

<次のページからの内容>
・大人にとって都合の良いものは、子どもにとって危険
・年齢によって注意すべきポイントは変わる
・2~3cmの水でも溺水の可能性がある?
・「窒息」「誤飲・誤えん」を防ぐためにできること
・タバコそのものよりも危険な“タバコ水”
・よくある事故例を知って予防策を常に考える