保育園の集団生活の中で、日々成長していく子どもたち。年少~年長の年ごろになると、トイレ、食事、着脱といった基本的な生活習慣や、お友達と仲良くすることを身に付けていく段階に入っていきます。そこでも当然ながら個人差があるため、親の心配の種は尽きません。

 集団生活で何か困っていることがあるのではと感じたとき、親はどう対応すればいいのでしょうか。都内の認可保育園で15年勤務する保育士の田村大介先生(仮名)に、主に年少から年長にかけての子どもたちの発達をどう見守っているのかをお聞きしました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 制約あるけど頑張りたい 時短ママはモヤモヤだらけ
(2) 時短でも納得感のある評価と意欲的に働ける環境とは
(3) 乳幼児期の発達 「できたこと」をすかさず褒めて
(4) 集団生活でのわが子の成長、親はどう見守ればいい? ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

おむつ外しは、保育園と家庭で足並みをそろえることが大切

 「2歳児クラスから3歳児クラスの夏前までは、おむつの子とパンツの子が混在しているので、『おむつ、いつ取りましょうか』という相談は多いですね。トイレットトレーニングで大切なのは、家庭と保育園とで足並みをそろえること。保育園で頑張って刺激を与えても、家でずっとおむつだと感覚が身に付きませんから」

 3歳児クラスの前半では、主にこうした排せつ面についての悩みが保護者から寄せられると田村先生は言います。「自然とおむつが取れるのを待つ」のか、それとも「積極的にトイトレをする」のか、考え方は保護者によって様々。基本的には家庭での方針に合わせるようにしつつも、「子どもには刺激を与えることが必要」と田村先生は考えています。

 「子どもはおむつをはいている安心感に慣れているので、大人が感覚をつかんで、そろそろだなというところでおむつを取るという刺激を与えることは大事です。

 タイミングがいつなのかは、その子によります。私が担当した1歳9カ月の子で、お昼寝が終わってもおむつがぬれていなかったので、トイレに座らせてみたらおしっこが出たんですね。それが2日続いたので、『ああ、この子のタイミングは今なんだな』と思いました。周りと比べて早い、遅いよりも、大切なのはその子のタイミングを逃さないこと。心配しなくても大丈夫です」

 排せつを含めた基本的な生活習慣は、小学校入学の時点を一つの目安として考えるといいのではないかと田村先生は言います。それはなぜでしょうか。

<次のページからの内容>
● 基本的な生活習慣は、最終的に同じ地点まで行けば問題ない
● 人間関係が、「大人に甘える」から「子ども同士」に変化
● 認識のずれが起こらないよう、気になることは保育士に直接相談を
● かみつきはダメだけど、やった子のつらさや葛藤には寄り添う
● 悪気のないからかいは、「相手が嫌な気持ちになる」と理解させる
● 「大人目線の不安」と「子ども目線の不安」は違うことを自覚