最近増えている、預かり保育のある幼稚園。保育園に通わせている共働き家庭でも気になる人はいるでしょう。そこで、今回は実際幼稚園に子どもを通わせている共働き家庭に、幼稚園を利用するメリット・デメリットについて話を聞きました。また、こうした預かり保育を実施する幼稚園の状況について、前回に引き続き船井総合研究所の大嶽広展さんと、ここるくの山下真実さんにお話を伺います。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 親子関係を短時間で深くする「手遊び歌」の魅力
(2) 子どもがうとうと眠くなる「就寝前の手遊び」
(3) 幼児教育無償化スタート 保活への影響は?
(4) あり?なし?共働き家庭の幼稚園という選択 ←今回はココ
(5) 学童どうする? 来春の入学準備は秋から本腰を
(6) 教育系?保育系? 今すぐ知りたい民間学童11選

保育園と幼稚園はDNAに違いあり

 前回の記事では、10月からスタートする幼児教育・保育料の無償化によって、保活への影響が出るほか、共働き家庭でも、幼稚園や認可外保育園に入れるという選択肢が出てくることについて解説しました。

 実際、「これを機会に設備の充実した幼稚園への転園を考えている」「小学校受験のためには、保育園卒より幼稚園卒のほうが印象が良さそうなので、転園したい」といった幼稚園への転園希望の声もちらほら聞こえてきます。東京に多い文科省管轄の私立幼稚園は、一部が無償化の対象になるということで実費負担は残り、完全無償となる認可保育園に比べて経済的メリットはそれほど大きくありません。とはいえ、共働き家庭にとってベールに包まれた幼稚園はどうも気になる存在。預かり保育を実施する幼稚園であれば、共働き家庭でも十分にやっていけるものなのでしょうか?

 「娘は2歳までの小規模保育に通っていましたが、卒園後、認可保育園に入れず、預かり保育のある幼稚園に通いました」と語るのは都内在住のMさん。「うちの区は保活の激戦エリアということもあり、預かり保育のある幼稚園に入れたのはありがたかったのですが、入ってみると少なからず保育園との違いを実感する場面があります」

 保活が厳しい都内では、幼稚園が保育園の受け皿として既に機能している実態がありますが、子どもを幼稚園に預けている親の話を聞くと、「預けるだけでは済まない」という現実も見えてきます。こうした状況に対し船井総合研究所の大嶽広展さんは、「幼稚園と保育園とではいわば『DNA』に違いがあるので、事前にその辺についても十分な理解が必要です」と話します。