10月から幼児教育・保育の無償化がスタートします。無償化の対象となる3歳から5歳の子どものいる家庭にとっては経済的メリットの大きな制度ですが、この無償化によってもたらされるのは家計への福音だけではないようです。無償化が子育て世代に与える影響について、保育教育分野に詳しい船井総合研究所の大嶽広展さんと、保育園事情に詳しい「ここるく」の山下真実さんにお話しを聞きました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 親子関係を短時間で深くする「手遊び歌」の魅力
(2) 子どもがうとうと眠くなる「就寝前の手遊び」
(3) 幼児教育無償化スタート 保活への影響は? ←今回はココ
(4) あり?なし? 共働き家庭の幼稚園という選択
(5) 学童どうする? 来春の入学準備は秋から本腰を
(6) 教育系?保育系? 今すぐ知りたい民間学童11選

無償化で保活が激化?!

 ついに幼児教育・保育の無償化がスタートします。世帯年収による制限なく、3歳から5歳のすべての子どもたちが対象になるということで、早くから大きな話題になっていました。保育料の負担は小さくなかったため、家計的には余裕が出てくると期待している人も多いはず。

 今回の無償化では完全無償対象になる人と一部無償となる人がいます。詳細は下記の図にある通り、完全無償化対象は、従来「認可園」といわれていたグループと、子ども子育て新制度に移行している幼稚園や子ども園。一方、一部無償となるのは認可外保育園や就労目的でのベビーシッター、一時保育などの利用や、東京に多い文部科学省管轄の従来型の幼稚園です。

 保育料無償化の目的は大きく2つあると、保育教育分野に詳しい船井総合研究所の大嶽広展さんは話します。

 「教育経済学の分野で幼児教育の効率のよさが明らかになってきたことを受け、それなら親の収入に関わらずすべての子どもが幼児教育を受けられるようにしようというのが第一の目的でした。さらにもう一つ、幼少期の家計負担を減らすことで、少子化に歯止めをかけたいという目的もあります」

 ちなみに一つ目の幼児教育の効率とは、具体的には「幼児期に良い教育を受けた子どもほど、将来経済的にも安定し、社会的にも成功しやすい」ことだといいます。そういう意味でも、今回無償化で浮いたお金は貯金に回すより、社会還元の意味も込め、習い事など子どもの教育関連に投資するのがおススメだと大嶽さんは話します。

 金銭面のインパクトに目が奪われがちな今回の無償化ですが、実は共働き家庭にとって最も注目すべきは保活への影響です。無償化の影響で、地域によってはますます保活が激化することが予測されているのです。こうした予測内容について次のページから詳しく解説します。

10/8(火)DUAL保活セミナー&異業種ママ・パパ交流会のお知らせ
本格的な保活シーズンの到来を目前に、日経DUALは、保活中ママ・パパ向けに保活の重要ポイントをお伝えする保活セミナー&異業種ママ・パパ交流会を実施します。お子さん連れもOKです。ぜひご参加ください!


10月8日(火)18時~20時
場所:日経BP(東京・虎ノ門)
会費:有料会員は無料、無料会員は3000円
セミナー講師:保活事情に詳しい「ここるく」代表・山下真実さん
■交流会 お申し込みはこちらから