少しでも失敗したり、自分のイメージ通りにできなかったりすると、「もうやらない」とすぐにやめてしまう。子どものそんな姿を見たことはありませんか。失敗を恐れてチャレンジできなくなっている子に対し、親はどう対応すればいいのでしょうか。子どもの心理相談や子育て相談を通して、長年親と子に向き合ってきた臨床心理士の帆足暁子さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 励ますつもりが逆効果にも 子への言葉がけに潜むリスク
(2) 失敗を恐れる子 「親に甘える力」が弱いことも ←今回はココ
(3) 勝ち負けの感覚身に付く3~5歳は親の声かけに注意
(4) 物に当たる、怒鳴り合う…親の行動が子に及ぼす影響

失敗を恐れる背景にあるものは

 なわとびをしていても、ひっかかるとすぐにやめてしまう。自分の思い通りの絵が描けないと紙をぐちゃぐちゃにしてしまう。「うまくできないからママやって」と自分でやろうとしない。そして、一度「失敗した」と感じると、「できないからやらない」といって再チャレンジしない……。子どものそんな姿を見たことはありませんか。少しの失敗をも恐れてしまい、チャレンジできなくなっている子に、親はどう言葉をかけたらいいのでしょうか。

 「子どもが失敗を恐れる背景には、親自身の『子どもに失敗しない人生を与えてあげたい』という思いがある場合が少なくありません」。帆足さんはそう指摘します。

 「子どもには『失敗しても大丈夫だよ』と言いつつも、子どもが間違ったり負けたりしないように頑張らせる。親自身も失敗しないように、子どもにも失敗させないようにと気を張っている。失敗が許容されない社会的な風潮もあります」

 子どもはそんな空気を敏感に感じ取っています。その上で、さらに子どもの自己肯定感を下げてしまうようなやり取りがあると、子どもは「失敗するくらいならやらない方がいい」と思うようになってしまうのだそう。

 「例えば、保育園の廊下に張り出された絵を見て、『もう少し大きく描けるとよかったね』と言ってしまう。あるいは『お友達の◯◯ちゃんの絵、とても上手だね!』と他の子の絵を褒める。

 ただし、こうした親の関わりをきっかけとして、子どもが失敗を恐れるようになっているケースは、因果関係がはっきりしている分、対処もしやすいそうです。しかし近年は、「親の関わりは適切なのに、失敗を過剰に恐れる子がいることが分かってきた」と帆足さん。親子の関わりを原因とする場合とそうではない場合で、それぞれどのように対処すればいいのでしょうか。

失敗を恐れる子は、どう対応すればいいか
失敗を恐れる子は、どう対応すればいいか
■この記事で分かること
・失敗を恐れる子を勇気づける褒め方
・「プロセスを褒める」が子どもに響かない場合はどうする?
・失敗を恐れる子は、「人を頼る力」が弱いことも
・自信を持てることが一つでも見つかると、他のことにもチャレンジしやすくなる

次ページから読める内容

  • 「根拠のない褒め言葉」は意味がない
  • 親の関わりは適切なのに、失敗を恐れる子の理由
  • 「結果ではなくプロセスを認める」が効かない子もいる
  • 未知のことを楽しみ、失敗を笑い飛ばしている親自身の姿を見せる

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