季節が変わり、風邪などを引きやすいシーズンです。せきが続いて、子どもを病院に連れていったら「ぜんそく気味ですね」と言われたことはありませんか? 「ぜんそく」と「ぜんそく気味」はどう違うのでしょうか。ぜんそくもアレルギーの症状の一つ。治療のガイドラインが普及し、様々なタイプの薬もあるおかげで、ぜんそくはもはやコントロールが可能な病気になっています。ご自身の次男もぜんそくである東京慈恵会医科大学附属第三病院・小児科診療部長の勝沼俊雄先生が教えてくれます。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
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(2) 長引くせき もしかしてぜんそく? ぜんそく気味?←今回はココ
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子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

ぜんそくは、気管支が狭くなり、呼吸しにくくなる病気

 「ぜんそく」とはどんな病気か端的に説明できますか? 簡単に言うと、気管支が常に炎症を起こしていてアレルゲンに反応する(発作)と、気管支が狭くなり、呼吸がしにくくなるという病気。正確に言うと、息を吐きにくくなる病気です。

 発作が起こると呼吸が苦しくなり、ヒューヒュー、ゼーゼーと特有の音が出ます。呼吸をしにくいので、鎖骨のあたりの皮膚がベコベコとへこむ、陥没呼吸が見られることもあります。

 正常な気管支と、発作時の気管支をイラストで見てみましょう。

『小児ぜんそくの悩みをみるみる解消する200%の基本ワザ』勝沼俊雄監修(日東書院本社)の図版を基に日経DUALが作成
『小児ぜんそくの悩みをみるみる解消する200%の基本ワザ』勝沼俊雄監修(日東書院本社)の図版を基に日経DUALが作成

 「子どもが風邪を引いたかな」と思って病院に連れていったら「ぜんそく気味ですね」と言われた、なんてことはありませんか? そのとき出された薬を後で調べたらぜんそく用の薬だった、なんていうことも乳幼児のお子さんを持つ親御さんには多いかもしれません。恐らくこのようなときはゼーゼーするぜんそくのような症状が出ているはずです。

 これは、医師が「ぜんそく様気管支炎」と呼ぶ、いわば“ぜんそくもどき”という症状です

<次のページからの内容>
・ぜんそくの薬とは?
・ぜんそくがコントロールできる病気といわれる理由
・自宅の生活環境の改善ポイント
・原因となるアレルゲンで圧倒的に多いのは?