そばで寝ている子どもから、ギリギリと歯ぎしりする音が……。小さい子どもが歯ぎしりしていると心配になります。成長過程で自然に起きるものもあれば、ストレスが原因のことも。起こりやすい年齢や対処法を小児歯科専門医に聞きました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子に思わずカッとなる 気持ち鎮める3つの方法
(2) 叱らなくてはいけないこと、伝えるための6つの工夫
(3) 子の歯ぎしり なぜ起きる?そのままで大丈夫? ←今回はココ
(4) 子どものいびき、病気のサインであることも 対処法は
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(6) 逆上がり 体の軽い未就学のうちが習得のチャンス
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 保育園に通う年齢の子どもたちは、次々と乳歯が生えてくることで、口の中の状態が大きく変化しています。歯が生えてくると、眠っている間に歯ぎしりを始める子どもも少なくありません。子どもの歯ぎしりの原因や、歯ぎしりに気づいたとき親にできる対応について、小児歯科専門医の茂木瑞穂さんに聞きました。

かみ合わせの変化などで起きる

 これまでのべ2万人以上の子どもを診察してきた茂木さんは、歯のことで受診した子どもの保護者から「実は歯ぎしりも気になっていて」と相談を受けることは珍しくないそうです。

 「子どもの睡眠中の歯ぎしりは、複数の要因が合わさって起こるものだと考えられています」。主な要因としては、次のようなことが挙げられるといいます。

<子どもの歯ぎしりの主な要因>

・かみ合わせの変化
新しい歯が生えたり、乳歯が永久歯に生え変わったりすることで、子どもの口の中はダイナミックに変化していきます。かみ合わせのバランスが変化すると、上下の歯を合わせながら「どこでかむのが最もよいか」を探ろうとして、無意識のうちに歯ぎしりをすることがあります。

・顎(がく)関節に柔軟性がある
顎関節は、上顎と下顎の骨をつなぐ蝶番(ちょうつがい)のような役割をしています。体が成長段階にある子どもは、顎関節に柔軟性があり、顎が大人よりも大きく動くのが特徴。顎関節が柔らかいと、下顎の可動域も大きくなるため、かむときに顎をどのくらい動かせばよいかを探るために歯ぎしりをすることがあります。

・ストレス
保育園入園や小学校入学、引っ越し、習い事を始める・増やす、親の離婚といった環境の変化は、子どもにとってストレスになることがあります。ストレスがどのような身体症状として表れるかは人それぞれですが、精神的な緊張から歯を食いしばっているような場合では、歯ぎしりがストレスのシグナルである可能性も考えられます。

 子どもの歯ぎしりについて、次ページから下の内容を解説していきます。