仲良く遊んでいると思っていても、いつの間にか始まってしまうきょうだいゲンカ。そんなにケンカをするのならば一緒に遊ばなければいいのに、また一緒に遊んではケンカになる……ということの繰り返し。終わることのない悩ましいきょうだいゲンカに、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。仲裁をする際に心がけることとは? 中京大学心理学部教授の小島康生さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) きょうだいゲンカ 親の前だからこそ起きる理由とは ←今回はココ
(2) つい比べてない? 親の発言はきょうだい仲に影響する
(3) 探究心の根っこが育つ、幼児期の文字、数の教え方
(4) 入学前の文字&数の先取り学習 親のNG行為は

ケンカにもメリットがある

 きょうだい育児をする親にとって悩ましい、きょうだいゲンカ。頻繁に繰り返されると、親はうんざりしてしまいます。重い腰を上げて仲裁に入ったものの、親の仲裁に納得できなかった子どもがスネてしまったり、うまい解決策が見つからずに子どもたちが泣いて終わってしまったりなど、うまくいかなかった経験がある人もいるかもしれません。

 これに対し、「きょうだいゲンカはやめてほしいですよね。でも海外の研究では、親がケンカをさせないように育てたきょうだいほど、きょうだい仲が悪くなるというデータがあるんですよ」と話すのは、子育て中の親や子どもの心理に詳しい、中京大学心理学部教授の小島康生さんです。

 「一口にケンカと言ってもきょうだいのパワーバランスや、ケンカの内容・規模などそれぞれで状況が異なるので、『きょうだいゲンカはさせたほうがよい』とは言い切れません。相手に対して手をあげるようなケンカはもちろんダメです。しかし、ほどほどのケンカにはメリットがあることも確かです。ケンカのメリットを生かすような仲裁ができると、子どもの成長の機会にもなります」

 また、子どもは、親が見ている前のほうがケンカをする傾向にあるそう。「そうした子どもの心理を知ることで、きょうだいゲンカばかりをしている時の子どもたちへの関わり方や、仲裁の方法が明確になる」と小島さんは言います。次のページから詳しく紹介します。

きょうだいゲンカのここが知りたい!
・ささいなことがケンカに発展してしまうのはなぜ?
・ケンカが増えたなと感じた時に親がすべきこと
・きょうだいゲンカは放っておくべきか? 積極的に介入すべきか?
・介入時に親が心がけるべきこととは?
・ケンカを成長のチャンスに変えるための工夫とは?